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グッバイフジヤマ『この胸いっぱいの愛を』インタビュー
INTERVIEW[2016.11.02]

●次は『星めぐりのこどもたち』
中山:これは、バンドを始める時に、1曲…人生で1曲、本気で書いてみようと思って作りました。それ以降も本気で書いてるけど、ここまで考えて書いた曲は無いです。歌詞もギターのフレーズもソロも全部僕が考えました。今は細かいところはルーだけど。
ルー:うん、元々あったね。
中山:この曲はめちゃくちゃ時間かけて作った曲で。最初はCメロが出来たんですよ「かみさまかみさま~」のところ、それが凄い良いメロディだから、これは絶対大事な曲になる、大事に作ろうと思って、1ヶ月くらいかけて。毎日毎日仕事終わって帰ってきてコードを当てて。で、サビだけ全然出来なくて(笑)。悩んでて、ある日シャワー浴びてたら、グワーって思いついて。シャワー浴びてる最中でまだ洗い終わってないのに出て、即効でギター弾いて。「ノスタルジックな星空に」って。めっちゃ覚えてます。
●キャッチーでキラキラしてるんだけど、やっぱりちょっとネガティブ?
中山:これ、元ネタ言っていいのか分からないですけど、「おやすみプンプン」っていう浅野いにおさんの漫画を読んで感銘を受けて。
●浅野さんなんですね。宮沢賢治かと思ってました。
中山:『銀河鉄道の夜』とか思われるんですけど、漫画からです。1巻から3巻が子供時代なんですけど、中学生時代に天の川の絵が出てきて、それが凄く印象的だったので、タイトルに『星めぐり』って出てきて。でも銀河鉄道の夜もちょっと引用してる。「誰々の幸い」とか。
ルー:この曲はバンドにとって凄い大事な曲だなって。デモを最初渡されて、凄い良くて。一番最初は『戦争しましょう』とか入っててヤバイなって思ったんですけど。
中山:あはは(笑)。そうだよね。一緒に入ってた。
ルー:やっぱり力があると言うか、何でしょうね…卓哉が大事にしてる曲なんだなっていうのは当時からも思ってましたね。
中山:こんな、デストロイ!とかやってんのに、一番僕らの根本にある、一番求められるのがこれであって欲しいと思っていて。今回リードにして、僕らの本懐みたいな物はココなんですよ、って見せたくて。大事な曲です。…まだ恥ずかしいけど、あんま、大人になりきれてなくて。だから今じゃないと歌えないなぁって思って。20代のウチに歌っておきたかった。
●はい。歌が真ん中にあるなとは思ってました。最初、どういうバンドなんだろう?って思ったけど。
中山:あははは(笑)。
ルー:そうっすよね(笑)。
中山:今、やっぱり盛り上がるバンドが売れてるじゃないですか?そのバンド達と同じように盛り上がる事も出来るし、でも俺達が出来る事は、一番の武器は、これ。最高の武器は歌。切ないセンチメンタルな歌物、それが違うところかなって思ってます。勿論、盛り上げたりハッピーな感じはめっちゃ好きなんで、そうありたいとも思ってます。
●でも根本にはこういうセンチメンタルな。
中山:過去を引きずってると言うか。生きてることに対しての疑問を常に持ち続けていたい。バカっぽい感じで居るんですけど、多分…生きる事とか死ぬ事に関してずっと考えてます。常に。家とかでも。この空間とか世界がある事に対しておかしいって思ってて。謎じゃないですか?これが無かったら、じゃあ何も無いって何なんだろう?って。そういう事ばっかり考えてます。意味ないじゃないですか?生きることとか死ぬ事とか、でも何か、胸をふるわす瞬間とかある訳で、それって何なんだろう?っていつも思ってます。

●『ジョバンニの切符』
中山:これは『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカンパネルラを、自分と別れていった友達に比喩した話で。あの、銀河鉄道って死を運ぶ列車で、片道切符を無くしてしまって戻ってくるジョバンニが自分で、でもちゃんとやっていけるよって。人って色んな出来事があって変わるじゃないですか。仲良かった人も変わっちゃったり。でも、それは分かってるからね、っていうのも伝えたい。皆わかり合えたら良いのになって。後半の「さよなら愛しい世界」はカンパネルラ側の別れを告げるパートと言うか。2人がそれぞれの目線で歌ってる曲で、それが自分と、…亡くなってしまった友達の事なんです。自分が書いてるんですけど、俺のことは心配要らないよって友達が言ってくれてると思って書いてるというか。
●そうだったんですね。
中山:何だかんだ皆ちゃんとやっていける。…これに関しては個人的な曲過ぎて、メンバーも思い入れないと思います、多分。
ルー:ん? 全然関係ないところで言うと、一番色んな楽器が入ってます。
全員:ぶわはははは(笑)。
●ルーさん最高っす(笑)。
中山:それだわ!(笑)。当日になって色々入れたんだ。俺が入れたい音だけ頭の中で作ってきて、鉄琴とか入ってるんですけど、その場で僕が考えて叩いてとか。ギターもここ必要だからアコギちょっと弾いて、とか。鍵盤もそうだし。ドラムもあの一瞬しか出てこない(笑)。後半に2回だけ出てくるんですけど、ドラムっていうよりは心臓の鼓動みたいなのを出したくて。ベースも一瞬だけ、クラシカルな感じを出したくて。
ルー:本当にレコーディングの最中、どうして良いか分かんなかった(笑)。かなり探り探りで、完成したらもう最高。
中山:最ッ高!超好きっす、これ。『星めぐり』から『ジョバンニ』の流れは最高だと思います。

●最後ですね、『この胸いっぱいの愛を』
中山:『この胸いっぱいの愛を』、最高ですね!話してるだけでニヤニヤしちゃう(笑)。この曲が出来た時、もう、喜んじゃった!
ルー:最初は、地方にいってスタジオ入ってるとき、俺が適当に弾いてたフレーズを、卓哉が何か録ったか覚えてたかで。
中山:覚えてて、それめっちゃ良いからもう一回弾いて!って。仙台のスタジオだったね。
ルー:俺は適当に演ってたから、全然覚えてなくて。で、実際曲作る時にあれ良かったから使ってよって。キー合わせて。意外と僕が適当に弾いてるフレーズを卓哉が覚えてる事が多い。
中山:そうだね。アルバムでこれを最後にするっていうのは自分の中で決めてて。テーマは一緒なんですよね。結局皆変わってしまう、でも、後悔が無いようにやっていきたい。一人一人との出会いとか別れを。あと、これ、完全にお客さんに向けて歌ってるんですよ。彼女とか家族じゃなくて。今までお世話になった、バンドに出会ってくれた人に対して歌ってる曲。君も僕も変わってしまう、だけど仕方ないよねみたいな。でも、それでも今、めっちゃ感謝してるこの気持ちを分かち合えたら良いなぁって。歌うって、音楽ってそういうものじゃないかなって。大学生とか会社員だった、普通の何でもない人だった僕等をお客さんが見つけてくれたから、何でもなくなったっていう。凄い、ありがてえって思って。歌詞のまんまです。感謝してます。だからまたいつでもおいでよ!みたいな。
●はい。めっちゃピースフルな曲で喜びの歌なのにちょっと哀愁もあって。変わりたいけど変わりたくないみたいな。揺らいでるのかな?
中山:進むのが怖いんですかね(苦笑)。また誰かを失ったりするから。
ルー:前のメンバーが抜けたっていうのもデカイかも知れない。その時来てくれてた人達もあんまりライブこれなくなったりとか。
中山:ああ、その時はメンバーが変わったから来なくなったのかなって思ってたんですけど、でも、そうじゃなくて、皆それぞれ事情があるじゃないですか。そういうのがやっと分かってきて。高校生から大学生になったら来れなくなる子もいるし。社会人になったら来れなくなるのもあるし。でも大事なクアトロワンマンとかになったら皆来てくれたりして、そういうのがきっかけでこの曲が出来たんですよ。「また会える!」みたいな。
●ああ、なるほど。そういう事なんですね。
中山:それでこのアルバムのテーマが『この胸いっぱいの愛を』で、「出会いと別れ」で。だからそういう曲が多いんですよ。最後の『この胸いっぱいの愛を』で、最初に言ったような、今の自分達が今まで出会った人達にもう一回聴いて貰えたら「良い」って思ってもらえるような音楽を今やってるよって。聴かせてあげられたらって曲です。
●おー!めっちゃまとまった!
中山:まとまったー!良かったー!
ルー:まとまったー! ね、今だからこそ出来る。

●はい、改めて、どんな作品になりましたか。
ルー:本当に今までやってきたこと、あったこと、今の自分達になったこと、を、今の自分達だからこそ出来るアルバムが出来たなって思います。しかも初めてのフルアルバムなんで。今のグッバイフジヤマの全てが詰まったアルバムだと思うので、僕たちのこの胸いっぱいの愛を皆に聴いて欲しいなって思います。
中山:今までバンドやっていた上で、出会った一人一人が、僕たちのことを見付けてくれたからここまで来れたっていう、そんなアルバムが出来ました。『この胸いっぱいの愛を』そういう人達に伝えたいと思って歌いましたので、良かったら聴いてみてください!
●ストレートな言葉だけどちょっと気恥ずかしい所があるじゃないですか? でもそれをあえて曲に出来てしかもアルバムタイトルに出来るっていう気持ちになったってとこですね。
中山:そうですね。本当に挫折のおかげですね。色んな挫折と、あと仲間の助けのおかげで。何か、今めっちゃ強いっす、俺。
ルー:助けてくれる人、凄いいるなって。
中山:この4人体制になってからバンドマンも凄い好いてくれて、優しい人ばっかりで。友達が凄い増えたよね、この2年間で。もうライブのお誘いも凄い多いですし。
ルー:先輩とかも凄い見に来てくれたりとか。
中山:だから本当、全ての人達にですね。感謝しなきゃっていう。感謝した上で…各地にいる物販手伝ってくれてる人とかラジオ局の人に「もっと頼れよ」って、「周りに頼らなすぎ!」って言われて。頼れよって言ってくれる仲間がいっぱい居るのは凄い事だなと思って。何か、『この胸いっぱいの愛を』ってフルアルバムで走り出して、これから、ちゃんと地道に頑張るんですけど、…力を貸して貰う事もあるじゃないですか?たくさんの人に。そういう力を借りた分、何が返せるかって言ったら、凄い良い景色を一緒に見せてあげられるバンドになりたいなって。だからファーストは絶対このタイトルにするって決めてた。これだけは絶対譲らない!って決めてましたね。
●はい。リリースの後にはレコ発が。11月27日に渋谷クラブクアトロですね。
中山:挫・人間と2マンなんですけど、結構引き合いに出される事が多くて、表のサブカル・裏のサブカル、みたいな。お客さんもかぶってたりして。大槻ケンジさんもインタビューで僕らと挫・人間を出したりしてくれて。お互い『グミチョコ』に影響受けたりしてる。挫・人間は思いっきりナゴムの遺伝子受け継いでるし。お互い鬱屈としてるんでしょうね(笑)。
●そこに向けて意気込み的には?(笑)。
中山:負けない!
ルー:ん。負けない!
中山:挫・人間は絶対良いライブするんで。俺達に出来る事をやる。お互い勝ちたい。一緒に良いイベントにしたい(笑)。本当の意味で分かり合えない2組かも知れないけど。だからこそお互いの譲れない部分を出し合いたいっすね。
ルー:クアトロ、去年ワンマンやってたとき、一週間くらいビラ配ってたんですよ。色んな人のライブ会場行って。たまたま地方のお客さんとか居たりして、その時「あ、これ行く!」とか言ってもらって。実際去年のクアトロはびびってたんですけど、でも皆仲間じゃないですか。それに、ビラ配った時に居た人とか地方の人とか、何万も使ってここに居てくれる、この瞬間を絶対に楽しませなきゃってその時に思ったんです。それが自分の中できっかけになって。だから2016年は「一人一人」がグッバイフジヤマのテーマと言うか。一人一人に楽しかったと思ってもらえるような。
中山:満足させたいっていう。一本のライブで、絶対に特別な日にさせてあげたいし、全員に楽しんでもらいたい。全員に伝えたいっすよね。だから一人一人の顔を見ていこうとか。誰が居るとかも結構ステージから分かりますし。めっちゃ顔見るんで、僕等。
ルー:それ以前も「楽しませよう」と思ってたんですけど、去年のクアトロでそれが自分の中で強く感じた時だったんで、だから今回も、挫・人間と2マンで、勿論負けたくないとか楽しもうとかもあるけど、来てくれてる人達を絶対一番楽しませたいなと。やばい、かっこいい事いっちゃった。
中山:いや良いよ。今日一だったよ。ビックリした。コイツこんなに喋れるんだと思った(笑)。
●お客さんや仲間から貰ったものに対する気持ちを返す的な事ですね。
中山:もう、愛っすよ。溢れんばかりの愛です。もう愛しいですもん、お客さんとか応援してくれる人達。すーげぇ抱きしめたくなります。ね。めっちゃ車ん中とかそういう話してるよね(笑)。
ルー:ね。
●本当になんだろう…良いバンドですね(笑)。
中山:そう思います!ありがとうございます!
ルー:ありがとうございます!
●はい。ありがとうございました!
(文・写真(小さいやつ):朝倉文江)


『この胸いっぱいの愛を』
01. BOYS IN THE BAND
02. Summer of Lovers
03. ひばりくんの憂鬱
04. 恋のダンスビート
05. 陽だまりのセレナーデ
06. ですとらくしょん!
07. 夜明けのシュプレヒコール
08. 星めぐりのこどもたち
09. ジョバンニの切符
10. この胸いっぱいの愛を

LADR−009
2,000円(税別)
Ladder Records
2016.11.2発売

LIVE SCHEDULE
1stフルアルバム「この胸いっぱいの愛を」リリース記念イベント「渋谷サマー・オブ・ラブ」
2016.11.27(日) 渋谷CLUB QUATTRO
グッバイフジヤマ/挫・人間 (2マン)

■公式HP http://lumpennk.wixsite.com/goodbyefujiyama