音速ライン『明日君がいなくなったら』インタビュー
INTERVIEW[2017.11.22]
●では1曲ずつ。『明日君がいなくなったら』を。タイトルでもあるし、軸になった曲ですね。
藤井:何かね、『アネモネ』もそうなんだけど、大事な人がいなくなって、いろいろ考えさせられる事があってっていう所で、早く出したかったのもあったんだけど、何かね、大久保に響くのに時間がかかったんだよね、この曲。
大久保:いや、何か「デモ集」をもらってて、良い曲が結構あって、違う曲に反応しちゃってたんです(笑)。
藤井:だからちょっと時間が経ってるから、今回書き下ろしたと言うよりは、このタイミングだなっていう所に落ち着いた。俺、大久保が反応しないけど絶対にやりたいっていうのがあったから、超・凝ったデモを作った!
●(笑)落とす気満々のデモだ。
藤井:そうそうそう(笑)。大久保が好きそうなベースライン入れて(笑)。本当に、そのぐらいやりたかったの。そしたら「この曲やばいよね」って来て。やっとよ。
大久保:あははは(笑)。2年ぐらいかかった。
藤井:でも作った当時は「悲しい曲」はダメだった。でも作っちゃったんだけど、出せないなって心境の所で。段々自分の中で気持ちに折り合いがついてきて、「あ、この時期なら出しても良いかな」って思えた時に、完全なるデモを作って放るっていう。
●そしてやっと大久保さん釣れたと。
大久保:すいませんでした!
藤井:あははは(笑)。まあ、いろんな、自分の生活の経験上、分かってくる事もあったりして、普通に目の前に居る人が突然居なくなる現象って、あるからね。あった時に、どうしたら良いんだろうなって思って。誰か一人欠けたとしたら色が無くなる。白黒になっちゃう気が俺はしてて。その一瞬一瞬、一日一日を大事にしたいなって思うし、でも思う反面、大事にできてない自分もいる。分かってんだけど出来ないっていうのの繰り返しだから。
大久保:こういうのって、ふとした時に感情的にこみ上げるって言うか、そういう時に本当に身に染みて感じる事が出来ればそれで良いと思うんですよね。
藤井:そうそう。そこでずっと考えてる必要も無いんですよ。考え続けたらしんどいから。
●そうですね。しんどい時間はずっとモノクロかも。
藤井:うん、そんで、楽しむときは楽しみ、そこに向き合うときは向き合うっていう、そのオンオフをちゃんとやっていけば、人生っていうのは良くなるんじゃないかなって。中々難しいんだけどさ。そういう所を書きたくて作ったんだと思う。Aメロは実体験も入ってるかな。「ちくりと刺すような突然の悲しみ」はそれなんだけど。結局、通り雨みたいなものに流されて、忘れたくないけど、慣れていく。そういう中で、でも人間そうしないと生きていけなくなっちゃうじゃん。そこを折り合いつけていかないと、辛いよってところでさ、一緒にさ、歌うたったらいいわけじゃん。もう、イメージとしては泣きながら走ってる感じなんだよね。
大久保:久々に出たね。
藤井:「あーしーたー」で、もう泣きながら走ってる。
●はい。あと、今お話聞いてて、『生きてくことは』の気持ちにもリンクするのかなって思いました。
藤井:そうだね、近い近い。
大久保:ああー。
藤井:向き合った上で走ってる。
●パワーのあるアレンジですけど、サウンド面で考えていた事は?
藤井:衝動的なものが出したかったっていうのはあるけどね。俺はね。
大久保:あるね、ダイナミックな音と言うよりは一かたまりになって進んでいく。ギュッとしてる感じ、レンジが広いと言うよりギュッとしてるギュッとしてドーン!みたいな。疾走するような。
藤井:フェスとかで皆でガーンってやってるイメージが物凄く出てきて。
大久保:オサムさん(レコーディング・エンジニア)が「風が吹いてる」って。
藤井:あ、言ってた。風がブワーって吹いてるって。うん。

●『ハイボールミラーボール』、ビール、ウーロンと来て、ハイボール。
藤井:酒好きが高じて、ビールの曲は俺、ウーロンハイは大久保、2人とも好きなものはハイボール。
大久保:うん、飲むね。こないだもハイボールの杯数が凄かった。
●これはロックナンバーですね。
藤井:完全にライブメインな曲と言うか。盛り上がる曲。
大久保:セクションごとにどんどん変わっていくっていう、久々な。
藤井:The Whoの『四重人格』みたいなね。面白い曲にしたいなってあって。掴みどころの無い曲に。
●あと、つぶやきが(笑)。
大久保:(笑)。炭酸が命。
藤井:あー(笑)。『BEER CAN』出してさ、『ウーロンハイ』では「炭酸はもうキツイからウーロンハイ」って言ってる人が、『ハイボールミラーボール』では「炭酸が命だろ」っていう。でも本当にハイボールは炭酸が命だからね。ビールは俺が好きで、ウーロンハイは大久保が好きなわけで、ハイボールが好きな人はそう言うと思う。別にね、何にも間違ってないと思う、俺は(笑)。
大久保:一人の人が歌ってるからね、誤解されると思うけど(笑)。
藤井:誤解されがち!俺は炭酸がちゃんとシュワシュワしてた方が好きだから。これはね、癖になる曲だと思う。
●はい、タイトルに「ミラーボール」って入ってますけど、これは?
藤井:感じてくださいよ、この、「もっと もっと」のくだりがディスコエリアなんで。
●あー!そこでクルクルキラキラしてるところ。
藤井:うん。あと大久保のベース聴いて。
大久保:(笑)ここのメロディが一番好きなんですよ。
藤井:俺はここの歌詞も好きなんだよね、素直になりたいよ、本当。夢中にもなりたいし。
大久保:これは口ずさみ系ですね。