a flood of circle 『THE BLUE』佐々木亮介インタビュー
INTERVIEW[2016.03.28]
●アナログ!良いですね。もうプレスしてるんですか。
佐々木:やってます。チェコでやってるんですけど、レコード会社の繋がりって言うか、親会社にカラオケさんが入ってきて、そのルートがあったみたいで。
●アナログ盤には何曲入るんですか?
佐々木:長さ的に収録曲全部は入らないんですけど、でもアナログ用の曲順にしてたり、アナログ用の曲間とかマスタリングをしてるので。それはそれでお楽しみに。5曲・5曲の10曲ずつで、A面・B面がバンドの音で、2枚組みなんですけど、C面・D面が弾き語りが入ってます。
●最高じゃないですか!
佐々木:めっちゃ良いんですよ!
●ジャケットはどうなるんですか?
佐々木:正にこれがデッカクなります。オマケも付けますから。ジャケットサイズのでっかいステッカー付いてきます。俺まだ見てないけど(笑)。まあこれはベスト盤のアナログっていうだけでも楽しんで欲しいし、a flood of circleからの、色んな音楽の楽しみ方があるよっていう提案(笑)なので。プレーヤー持ってない人はね、父ちゃんとか爺ちゃんとか持ってるかも知れないし、探してみれば親戚から1台くらいは出てくると思うし、持って無くても1万円くらいでスピーカー付きの可愛いのが買えるので、これ機会にゲットしてみるのも。
●アナログは前々から出したかったとかあるんですか?
佐々木:そうですね。一つ夢叶ったなって。勿論、CDプレーヤーしかなかったらそれはそれで良いんですけど、CD聴いた上で…アナログってピンと来ない人も居るかも知れないけど…ちょっと前だと、何かアナログをライブハウスで売ってたら「これCDプレーヤーに入るんですか?」って聞かれた事があるって話を聞いた事があるんで(笑)。それよりちょっと時代が巡って来て、アナログレコードを買う層って、むしろ若い人達が多かったりするし。もしプレーヤーもってなくても、フラッドきっかけで聴いてみて欲しいなって。

●2月にはロンドンレコーディングとライブがありましたが。ライブやってみてどうでした?
佐々木:やってみて…は…、最初はロンドンだからって色々考えて気がナーバスになってたんですけど、いざ始まっちゃうと、もうカッコイイかそうじゃないかっていうだけなんで。だから、日本で用意してたセットリストとかぶっ壊して。曲ガンガン変えたりしてやってたんで。凄い、原始的なバンドの良さが出たと思います。
●原始的!(笑)
佐々木:何か、色々構築して、流れがあって、こういう展開で、っていうセットリストを考えてたけど…ロンドンで試された事ってショウアップされた物を見せるっていうよりかは「こいつら日本人がいきなり来て何すんだろ?っていう目で見られてる」っていうのを、一人でも躍らせられるかどうかっていう。それってバンドが組みたての時にLoftのバーでやってた事に近いなって思って。そういう衝動は結構久々に感じました。逆に、ありがたいけど、東京とかで…流石にa flood of circle知らない人しか居ない所で演るのは無くなってきてるじゃないですか?そういう意味では、全く俺等を知らない人達の前で演るっていうのも凄く新鮮だったし、このバンドは何がカッコイイのかっていう根本的なところに立ち還れましたね。最初の1本目があんま良くなくて、3本やって3本目が一番良かったんですけど、1,2本目終わってタクシーで帰る時とかも、結構バチバチでケンカしましたね、ナベちゃんと。もういい、もうロンドン来たくないとか言うから。
●あらら(笑)そんなにメンタル打たれたんだ。
佐々木:そっからじっくり話して、次のライブはそれより良く出来たし、だから3本目が一番良かったし、欲を言えば残れたらもっと演りたかったなって。
●お客さんの反応はどうだったんですか。
佐々木:反応…だから最初はポカーンですよね。そっから徐々に、凄くシンプルなんですよ。これは何国人でも関係ないと思うんですけど、呑みながら見てて面白かったら見て踊るし、つまんなかったら去っていくっていう。そういう意味では2本目では去っていく感じだったんで悔しかったですね。それがまたイベントの名前を、ザ・リバティーンズのカール・バラーさんが付けてて一応主催者らしいんですけど、そのちょっと前の晩に俺ザ・リバティーンズを見に行ってたりして結構燃えてたんですけど、それが空振りしたところもあったんで。クッソーと思いながら3本目やったから。それは気合は入ってましたね。
●じゃあ打たれつつも、最後は勝ちに行ったと。
佐々木:もっと頑張ろう、みたいな(笑)。
●(笑)10年やって来てもこんな思いするんだと。
佐々木:まあでもイギリスの音楽に影響受けてる部分も沢山あるし、凄く憧れと愛とコンプレックスみたいなものを全部、いっぺんに、感じながら。後はロンドンっていう自分が住んでた所に行ったんで。そういうルーツみたいなものも感じながら。だから色んな、複雑な気持ちが芽生えてたんですけど。ステージ上がっちゃうともう、その人達をどれだけ楽しませられるかだし、そういう意味では一本ずつ馴染んでた。
●はい。すんごい気になってましたけど、流石に行けず。
佐々木:はは(笑)。こないだタワーレコードさんで『BLUE展』ってやらせてもらって、そこではちょっと映像流したんですけどね。
●お、その映像いつか何処かで見れたりしますか?
佐々木:今んとこ未定ですけど、せっかくだから皆が見れるチャンスは作りたいですね。
●はい。朗報まってますね。元々はロンドンレコーディングが先だったんですか?それともライブが先?
佐々木:実はレコーディングが先に決まったんですけど、ベスト盤のリリースもあったんで、次の動きは内緒にしとこって(笑)先にライブを発表しました。ロンドンレコーディングっていうのも、10周年の新しいチャレンジって物をかなり大胆に求めた結果ですね。ぶっちゃけメンバーがロンドンで録りたいって誘ったっていうよりかはスタッフ側から手配してくれたりしたんで。恵まれてますね、だから。
●愛されてますね。
佐々木:うん、だし、フラッド此処で新しい発表の材料が欲しいって皆思ってたんで。行った結果凄い良い曲が録れました。もうこれは今すぐ聴かせたいくらいカッコイイんですけど。ずっとトライしようと思ってて、周りの人が分かってくれるっていうありがたい環境なんですけど。逆に此処で…終わろうとも思ってないけど、終われないっていう(笑)。先を見てるし、10周年が俺達のゴールとかピークではないんで。『THE BLUE』をグレイテストヒッツだと思ってないし「入口」として作ってるから。ロンドンで早めに下半期に関してのタネを撒けたのは良かったし、単純に次のアルバムを出す前にベストを出したかったし、常に次のことを考えてるんですよ。そこに向かって成長しようっていう気持ちはありました。
●音源になるの楽しみにしてますね。ロンドンの話はその時また詳しく聞かせてください。4月2日から久しぶりのワンマンツアーがありますが、意気込みとか、セトリはベストからなのかとか。
佐々木:基本としては、野音がファイナルだった全県ツアーから2年ぶりで、そっから結構色んな事が変わってきたんですね。人も変わったし、事務所も変わったし…やっぱりね、野音までのツアーで全県やり遂げた達成感っていうのはあったけど、結構悔しさがデカかったのもあって。
●悔しさ?
佐々木:野音に限定すると、椅子の、ホールのライブをやった事なかったから、あれはあれで映像も残してあるんで見て欲しい良いライブではあるんだけど、そっから学んだ事、俺がまだ足りてないなと思いながら、その後も曲作ったりしてたんで。ずっと対バンで磨き上げて来たというか。去年は自分達より若手の手強い奴等を呼んで鍛えて来たので。今のバンドの状況は良くなってるんですよね。明らかに2年前よりもタフになってるし。そうやって俺達ずっとブラッシュアップして来てるから、今が一番良いライブを出来るのは当然だと思ってて。だからフラッドのライブって、カッコイイの当然なんですよ。
●おう!
佐々木:カッコイイのはベーシックなんで、それ以上の爆発が起こせるように、ロンドンとかで修行してきたので(笑)。カッコイイの「先」のモノを見せるっていう。それは『花』に込めた想いでもあったりするんで。ライブの現場で感じて欲しい。まあ、ツアーはめっちゃ楽しいよと。
●楽しむし、楽しませるぞと(笑)。
佐々木:はい(笑)。セットリストも、もうこんな、リード曲だらけのセットリストは組まないぞっていうくらいのを組んで行こうと思ってるし、まあせっかくなんで、久々なんで折に触れて「この曲ココで演る!?」みたいな、ちょっと懐かしい曲も挟もうかなって。
●おー。楽しみ!スクービーとの2マンもあるのかな?
佐々木:2マンって言うか、ダブルヘッドライナーっていう良くわかんない企画(笑)。要するに一日でワンマンが2本見れますっていう贅沢企画です。注意事項としてはぶっ倒れないで下さいって事なんですけど(笑)。休憩時間もあるし、スクービーだけが好きな人にもフラッドを見て貰いたいし、フラッド的にはスクービー大先輩大好きですから、まだスクービーのライブを見た事ないフラッドのファンにも体験して欲しい、けど、ライブが良すぎて持っていかれそうで怖い!
●あはは(笑)。そして最後は沖縄2デイズで。
佐々木:はい、1日目はワンマンツアーの最後として演って、2日目は「DEEP BLUE NIGHT」っていうLoftで演ったイベントの第2弾って感じで意味を分けて、a flood of circleと佐々木亮介って感じで、佐々木の鬼働きデイなんで(笑)。
●鬼働き(笑)。じゃあ上半期はこのツアーで締めくくって。
佐々木:まずは、新木場スタジオコーストあたりで一回締めくくりを見せようと思ってますね。
●コーストのワンマンは初でしたっけ?
佐々木:ワンマン初ですね。キャパシティ的にはダイヤモンドホール、ハッチ、スタジオコーストってのがこのツアーでは大きい所なんで、見届けて欲しいですね。いわゆるスタンディングのワンマンって2012年のダイバーシティ以来なんですよね。東京では。だから、実はかなり久々なところがあるんで。楽しみだし気合も入ってます。最近は対バンで鍛えてたりしたんで。
●じゃあツアー期待してて良いですね。
佐々木:はい。期待を裏切らないで上回りますんで。
●では最後にメッセージを。
佐々木:今日もTOTEでしか言ってない事ありますよ。『プシケ』の話とかね。ベスト盤出た後の取材って結構少ないんで。とにかく、次の種を植えてあるんで、ベスト盤聴いてもらって、ツアーに来てもらって、下半期をワクワクして待ってろと、いう感じじゃないですか(笑)。はい。
●はい(笑)ありがとうございました。

(文・写真(2-3p)/朝倉文江)


『THE BLUE』
Disc1 *初回盤、通常盤共通
01. 花
02. シーガル
03. Buffalo Dance
04. 博士の異常な愛情
05. Human License
06. I LOVE YOU
07. Blood Red Shoes
08. The Beautiful Monkeys
09. 理由なき反抗(The Rebel Age)
10. Dancing Zombiez
11. I’M FREE
12. 月面のプール
13. KIDS
14. GO
15. Golden Time
16. ベストライド
17. ブラックバード

Disc2 *初回盤のみ
01. 青く塗れ
02. Miss X Day
03. プシケ
04. God Chinese Father 

Disc3 *初回盤のみ
01. 象のブルース
02. SWIMMING SONG
03. ノック
04. 月に吠える
05. コインランドリーブルース
06. Yu-rei SONG
07. The Cat Is Hard-Boiled
08. オーロラソング
09. ホットチョコレート
10. 花
11. ファイト!(中島みゆきカバー)

■初回限定盤(CD3枚組)
TECI-1487/3,300円(税別)
IMPERIAL RECORDS
2016.02.24発売 
■通常盤(CD1枚組)
TECI-1490/2,000円(税別)
IMPERIAL RECORDS
・期間限定プライスダウン盤
※プライスダウン期間:2016年2月24日-2017年1月1日
2016.02.24発売 
LIVE SCHEDULE

AFOC 10th Anniversary “THE BLUE TOUR -青く塗れ!-”
4.2(土) 千葉LOOK
4.3(日) 水戸LIGHT HOUSE
4.9(土) 郡山HIP SHOT JAPAN
4.10(日) 盛岡the five morioka
4.14(木) 金沢vanvanV4
4.15(金) 新潟CLUB RIVERST
4.17(日) 長野J
4.22(金) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
5.1(日) 岡山PEPPERLAND
5.3(火) 鹿児島SR HALL
5.5(木) 大分club SPOT
5.7(土) 松山Wstudio RED
5.8(日) 高松DIME
5.13(金 )札幌cube garden
5.15(日) 仙台CLUB JUNK BOX
5.19(木) 高知X-pt.
5.21(土) 広島SECOND CRUTCH
5.22(日) 大阪 なんばHatch
5.27(金) 名古屋DIAMOND HALL
5.29(日) 福岡CB
6.4(土) 新木場STUDIO COAST
6.11(土) 沖縄Output
6.12(日) 沖縄Output(AFOC VS 佐々木亮介)
その他イベントライブ多数。詳しくは公式HPにて

■公式HP http://www.afloodofcircle.com/