カミナリグモ『続きのブランクペーパー』インタビュー
INTERVIEW[2015.03.20]
●『Pale Purple Sky』
上野:この曲はバンド編成時代からずっとあった曲で、若干そこから手を加えてはいるんですけど、バンドで作った3枚のアルバムの時はこういうアップテンポな曲中では落選した曲で。全く2人だけの音楽を始めるにあたって、BPMの早いエイトビートの曲って、イメージが湧きづらかったんですよね。やっぱりそのテンポだとバンド映えするものなので。クラシカルなロックンロールなビートのイメージがあって、打ち込みでトラックを使って生っぽいエイトビートで再現して、ライブで演ってもちょっとこう、しっくりこないんじゃないかなってイメージがあったんです。ビートが激しくなればなるほど人(演者)が居ないと。四つ打ちとかだとね、まだイメージが湧くんですけど。それで何とかできないかなと思って、ファミコン世代の人でお馴染みなチップチューンサウンド、ラジオのコーナーで、元々ゴマちゃんが好きでチップチューンサウンドでカミナリの曲をやってみましたってやってたりとかしてたので、もしかしてそれだったらアップテンポなエイトビートな曲も2人で再現できるんじゃないかなって思ったのがきっかけで。ずっとお蔵入りだったこの曲良いかもって思って、「どう?やってみない?ゴマちゃん」って持っていった曲ですね。
成瀬:うん。なんか「ネメシス」っぽくしたいって。ゲームボーイでネメシスってあって、グラディウスって言っても分かんないですよね?
●グラディウスは分かります(笑)。
成瀬:それのゲームボーイ版です。
上野:あ、そうなの?そうなんだ。
成瀬:飛行していく系のゲームなんですけど、ああ、そういう事かって。飛行していく中でも障害物だったり色んなものが飛んできたりとかっていう感じにしようかなって。それを全部チップチューンサウンドで。原始的なファミコンの音源方式があって、その音源方式のみで作ったんですよね。
上野:意外とね、音色的には簡単に見られるけど、本当は結構大変なんだよね。
成瀬:結構キックとか頑張って作ったんですけど。勿論ミックスで加工もしたんですけど、それにギターと鍵盤がガッツリ入って。そういう感じでこれは頑張りましたね。

●『ブランクペーパー』
上野:2014年は『サバイバルナイフ』を中心にライブをしてきたので、自分達的には『サバイバルナイフ』もありつつ、今回の作品はタイトルにもなってますけど、この『ブランクペーパー』って曲が、また新しいテーマソングなのかなって思っていて。全く2人だけの形っていうのは未知数だけども、ここからまたどうなっていくかは分からない、ブランクペーパー、真っ白な何も書いていない紙に、やはりこれから地図を描いていこうっていう、そういう処に自分達が居ると思うので毎回ライブで唄ってても等身大でグッとくるような曲になってますね。
●曲が出来たのはいつぐらいだったんですか。
上野:これも2014年始まってスグぐらいじゃないですかね。リリースの予定は決まってないけども気持ち的には2人だけのカミナリグモの形をこれから新しく作っていくっていう状況だったので、その中で出来た曲で。『サバイバルナイフ』同様に、この曲にも自分たち自身が凄く勇気付けられたと思うし、そこからまた新たにリリースという機会を、チャンスを貰うことが出来て、段階は違うんですけど、あらためてまた新しいまっさらな紙に足跡を残していくような、今の気持ちですね。
●目的地は無いって書いてますが、どういう気持ちなのかなと。
上野:うーん、本来地図には目的地があるものだと思うんですよね。でも、真っ白な紙にはこれから自分達が一歩一歩、一つ一つ地図を描いて行くので、目的地は無いんですよね。で、その道が足りなくなったらまた新しい紙に書き足していく、その地図の中で完結しないんですよね。
●ああ、なるほど。その、未来を、先を目指してるけど「目的地は無い」なんだなと思ってしまって。
上野:未来っていうのは目的地では無いですよね誰にとっても。だって未来は命が尽きるまで永遠に続いていく物なので。それは否が応でも未来に向き合っていかなくちゃいけないので。その中でその時々で目標としている目の前のものはあると思うんですけど、人生っていう意味では最終的なゴールは無いんだろうなって。だから人生自体がブランクペーパーであって、道はどんどん紙から紙へと描き足していく、その地図を描いていくのは自分達自身なんだ、だから目的地もないし行き止まりもない、っていうそういうメッセージが込められた曲ですね。
成瀬:うん。まっしろで何も無いって事は、多分何にでもなるってことだと思うんですよね。何にでも変わる可能性がある。この曲はおもちゃ箱をひっくり返した様な感じだと思うんですけど、何かもうありとあらゆるものを詰め込んだ感じなんです。何か、最初に啓示君が持ってきた時から凄く良いなと思ったし、シンプルに凄く良かったから、シンプルじゃ無くしたっていう処が。そうすると間逆として聞こえるかなって。かなりめちゃめちゃ音を詰め込んだんですけど一個一個説明するとキリが無いので。真っ白に見えたいが為に、その逆を詰め込むことで成立させた。
●『サバイバルナイフ』一曲だけだと覚悟感が際立っていたけど、6曲揃うと前向きにな気持ちが強まると言うか。
上野:うん、今の前向きな気分がそのまま作品に表れたのかも知れないですね。何か本当にテーマになっている「冒険感」って言うか、冒険っていうのはこれから出発する、どんな敵が居るのかどんな困難が待ち受けているのか分からないけれど出発する時っていうのはワクワクすると思うんですよ。そういう気分で今いるんじゃないですかね。
●はい。ツアーもありますので意気込みなども。
上野:2人だけでのライブっていうのは2013年からずっと継続して続けていたんですけど、全くのオリジナル作品をリリースしてからのリリースツアーっていうのは本当に久しぶりで。今まで昔の曲を2人でリアレンジしてきたツアーと全く新曲でのツアーっていうのは気分的にも違って、来てくれる人の気分も違うと思うし、ファンの人にとってはCDでしか聴いたことのない曲がライブではどうなるんだろとか、勿論自分達の緊張感もいつもよりあるだろうし。新鮮なワクワクするような気持ちは凄く久しぶりで、だからより楽しみと言うか。2人だからこういうライブが出来るんだという処を見てもらえるライブにしたいですね。
成瀬:その、今回の音源を持って、より、カミナリグモの形を認知させたいっていう。そのためにこのツアーを通して、この音源を聴いてイメージをして見に来てくれる人も沢山いると思うので、イメージ通りのステージを見せられるように一個一個やっていきたいと思いますね。そのために準備をして、頑張らないとなって。
●ではメッセージを。
成瀬:本当にまずはこの音源を聴いて欲しいですね。満足して貰える音源になってると思いますので、これを聴いたら僕らがやりたい世界感っていうのが音を通して見えると思うので。聴いてくれる人ともっと良い関係になる一歩になれば良いなと思います。
上野:僕達の続きの物語がしっかりと詰まった作品になってると思います。そして、このツアーも続きのツアーのような、そういうツアーになると思うので、僕らの続きの物語に是非参加してもらいたいなと。これからも続いていけるように、少しでもリリースをきっかけにして広げていきたいと思いますので、出来ることを頑張って、またリリースがしたいですね、早くも。なので、まずは今回のリリースと、ツアーと、是非皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。
●ありがとうございました。
(文・朝倉文江)


『続きのブランクペーパー』
01. サバイバルナイフ
02. Lightning Girl
03. 漂流記
04. 丘の上のスタンリー
05. Pale Purple Sky
06. ブランクペーパー

CD
BZCS-1120 /1,700円(税込)
2015.3.11発売
LIVE SCHEDULE

『続きのブランクペーパー』ワンマンツアー 
2015年4月11日(土) 新潟 Blue Cafe
2015年4月12日(日) 長野 NEONHALL
2015年4月29日(水・祝)仙台 SENDAI KOFFEE
2015年5月9日(土) 下北沢 CLUB Que
2015年5月16日(土) 福岡 HEARTBEAT
2015年5月17日(日) 広島 JIVE
2015年5月30日(土) 名古屋 ell.SIZE
2015年5月31日(日) 大阪 knave -TOUR FINAL-

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■公式HP http://www.kaminarigumo.com/