LOVE LOVE LOVE『Flag』インタビュー
INTERVIEW[2013.11.08]
もっと自分の中から出てくる物を見たい。自分の可能性とか。
そういう意味で旗揚げのアルバム。自分を試してるアルバムでもある。

結成10年にして、自らが主宰となる新レーベル『Nutria Records』を設立!
旗揚げ作品はもちろん彼等の新作だ。『Flag』(フラグ)と名付けられたミニアルバムは
決意と意気込みを高らかに歌った『ステラ』を筆頭に、今言いたい事・歌いたい事を
ギュッと詰め込んだ6曲を収録!
●結成10周年なんですよね?おめでとうございます!
メンバー:ありがとうございます! 
●一人ずつ、自己紹介として10周年にまつわることを何か。
浦山恭介(以下 浦山):ギターの浦山です。10年振り返ってみて…気付いたら10年経ってたっていう感じが強いですね。本当に初期の2,3年っていうのは、バンドとして外に向けての活動とか、あんまりしてなかったので。あっと言う間だったっていう感じはしますけど。
●大学のサークルからですもんね。
浦山:そうですね。僕らが二十歳のときです。30歳になってしまったんでね(笑)。
澤本康平(以下 澤本):あはは(笑)。そやなぁ。
浦山:でもまあ、10年経って、僕らは貴重なと言うか、バンドやってる仲間の中でも稀有な経験をさせてもらって来たと思うので。それでも続けて、今バンドやってられるのが結構…やってきたもの、どういう結果を残してきたとかも置いておいて、10年やってきて良かったと思えることがいっぱいあるので。ま、こっからだなっていう、新たな気持ちでおります。
寺井孝太(以下 寺井):寺井です。ベースボーカルです。10年、そうっすね、10年「感」は正直無いですね。一番10年で変わったことがあるとするならば、音楽と自分の関係性みたいなものが変わったかな。昔は趣味の延長だったし、始めたのも大学生で、聴いて貰うこととかライブをする事とか、あんまり考えてなかったと言うか。ただ音楽が好きでやってただけだから。だから、この10年間で何が変わったかって言ったら、音楽と自分で。無くてはならない物って言ったら大層ですけど、そういうのがかなり強くなってきたかな、自分の中で。
●自分の中での比重が大きくなってきた?
寺井:そうですね。曲に人生を擦り付けていくことが多いし、そういう位置に来ましたよね。考えて作ったり、考えないで作ったり、曲が出来上がるプロセス、方法にもパターンが作れるようになったし。ただ、その10年の中でまだ出来てないことって、まあこれから先も出来ないであろう事もあると思うんですけど、やっぱり理想の音にはならないですね。それに近づける為に日々頑張るわけなんですけど、理想の形になることはそうそう無いので。音であったり、曲であったり…それを思うと、だから続けるっていうのもあると思うし。全然、理想にいけない自分が居ます。それを感じた10年だったかな。
澤本:ドラムの澤本です。えー、10年を振り返ると、あんまり憶えてないというか。覚えてはいるんですけど、まあ色々あったなっていう感じ(笑)。別に、何か、今の感じも10年前とあんま変わらないなと思えますし。勿論成長はしてると思いますけど。根本的には、何か最初の、「あ、こいつらおもろいな」っていうのも、新曲が出来た時の感覚は常に変わらないし。ライブ演っても良かったなって思うときは最高やなって思いますし。めっちゃ腹立つ時もあるし(笑)10年その繰り返しですけど。ちょっとずつ、変わってるのは変わってるとは思うんですけど、ここが変わったとかは感じないし。不思議だなと、単純に。10年も一緒に居るなんて不思議だなと、ただただ思いますね。最初は友達やったんが仲間になり、同士になり、不思議(笑)。この関係性が。バンドが続けてられるのは幸せなことで、ただただ不思議ですね。ありがたい感じです。続けれて。
●はい。改めて10周年おめでとうございます。そして、音源の事とか伺う前に、資料に「幾多の波を乗り越えて」って書いてあるんですが、その山あり谷あり波あり、について聞いても?
浦山:まあ色んな出会いがあって、我々京都に居たところ、東京に上京して、東京で勝負しよう!ってメジャー契約して大手の事務所入って、やって。自分たちの考えとは違うこともやっぱりやらなきゃいけないこともあって。そこまで僕らも深く考えてないところもあって、自分らに音楽で勝負・東京で勝負していくって事に対しての意識も低かったと思うし、そこで流されてしまったところもあったと思うし。「ああ、こういうふうじゃなかったのにな」って思うこともあって。その時に、このまま続けていくべきなのかとか、そういう事も考えることもあって。もうやめてまえ!みたいな感じのときもあったし。インド行ったりとか色々あったし。
澤本:(笑)。
●インドありましたねー。インパクトのある写真(笑)。
澤本:ははは(笑)。三人で一緒に住んだし。
浦山:まあ端から見たらね、そんなに分かんないと思うんですけど、自分たちの中では色々あったっていう。その波を乗り越えたと言うか、波にぶち当たって、波に耐えたとか(笑)そういう感じかもしれないですね(笑)。

●はい、新しい音源『Flag』リリース、しかも新レーベルを立ち上げと!
浦山:はい。設立です!僕らビクターで、スピードスターでやっていて、1stフルアルバムを出し、次どうするかって展望があったときに、正直今のこの自分たちで活動してるスピードを落としたくないなって思ったし、次の作品も作戦練ってどうするどうするって考えてるより、もう早くお客さんに新しい曲を届けて行きたいし。もうこうなったら自分達主体で動いた方が良いんではないかと、いうところもあり。
●それって3人でいつぐらいに話してたんですか?
澤本:『アンサーソング』を録ったくらいに、良い曲だしもうちょっと広げる手は無いかって、最初会場限定盤だけやったんで、次のやつはもっと広げたいなって処で、色々知りあいに当たってたりもしたんですけど。特にいい所もなくて、でもちょっと協力してくれる処が出てきたんで、だったら、みたいな感じで。だから今年の…夏前くらいかな?設立に向けての話は。
浦山:春先、くらいに『アンサーソング』が出来て、そっからそういう動きにはなってましたね。会場限定盤出すのも、特にレーベル決めて出すわけでもなく、ただこれを布石にしてこの次の何かにしようっていうのはあったんで。『アンサーソング』をどういうふうにパッケージングして、流通に乗せるかっていうのは、考えてましたね。その中の選択肢の中で自分達でレーベルを立ち上げるっていう。
●自分たちでやっちゃった方が早いな、とか?
浦山:早いというか…色々作業が怠ってしまって、遅れていく処もあるんですけど、最終的には(笑)。今、色々やってみて、実際自分らでジャッジするしそれに対しての責任感もあるし、直接お客さんに届けていくっていう気持ちもよりこもるなっていう感じはしてて。
澤本:考えたことが、そのまま出せるんで、大変なのは大変ですけど(笑)、でも全部、写真の構図から、
全員:わははは(笑)。
●寝そべり写真ね(笑)。
澤本:全部自分たちでやる感じは凄い良い。ちょっと口うるさいバンドになってしまった感はあるんですけど。
全員:ぎゃはははは(笑)。
澤本:でもそれが、今までに無かったことだなって。言われて何となく、じゃなくて自分らの思う良い所とかをちゃんと出して行きやすくなったんじゃないかなって思うんですけどね。
浦山:10年やってきたからって事もあるんでしょうね。ああしたら良かったこうしたら良かったって思う所もあったし。それを色んな人を巻き込んで、一緒に考えられる人が居れば多分一番良いんでしょうけど。今自分らだけになって、自分たちのこだわりとか、他とぶつかってああだこうだなるより、シンプルに自分たちだけで考えてやった方が、いろんな物事もやりやすいんじゃないかなって。
●はい。そういう気持ちもあって、今回リリースも出来ることになったし、良かったですね。
浦山:はい。ただ、時間は無かったです!
全員:わははは(笑)。
●バッタバタ?
浦山:バッタバタです!
●自分たちでやってこうって決めた時に、3人で話し合いとかもしたと思うんですけど、そのとき決めたこととかってあります?
浦山:特に無いすね(笑)。特に何か決めてガッツリやるやらないとかじゃなくて、その都度、で。
寺井:始まったばっかりですから。正直、ある意味この件に関してはゼロから。やっとちょっとひと段落して。結構駆け足で走り抜けた一ヶ月くらいやったから。そんな、話し合いもしてない。
澤本:もう何か、任せるところは任せて。だから寺井さんは曲作ってって言って(笑)分担で。
寺井:だからこれからじゃないですかね。レーベルとしての機能的には。
●なるほど。この『Nutria Records』というレーベル名にはどんな意味が?
浦山:これはね、話すと長くなるんですけど(笑)。どうしようかってずっと悩んでて、あれは東京に来てちょっと打ち合わせしてる時で。色んな案があったんですけど。最初なんだっけ?
澤本:何か、濁点を付けたいとかそういう(笑)。何か、色々言ってたよな、覚えてないわ。
浦山:色々あって、京都っぽいのがいいのか、とか。京都ならではの物を入れたいな・でもちょっと古風になるのも嫌やなとか。突然動物入れたいよねって話になったんだよね。
寺井:ペリカンレコードとかそういう感じで。ペリカン可愛過ぎるからヌートリアにしよう、って。
浦山:ヌートリアっていう動物はご存知ですか?
●いや、あんま知らないです。
澤本:あ、そうなんや。
浦山:ヌートリアっていうのは結構、日本全国の河とか沼とか池とかにいる、ビーバーみたいなカワウソみたいな、ねずみみたいな。
澤本:おっきいねずみ。
浦山:で、外来生物なんですよ。外来種で元々日本に居ないんですけど、それが今、鴨川に繁殖してるんですよ。
●あー!そうなんだ。なるほど。
浦山:で、元々の経緯を言うと、彼らは戦時中に毛皮の為に連れて来られて養殖されてたんですけど、それが戦後の混乱で逃げて、広まっちゃったんです。田んぼ荒らしたりとかすることもあるらしく、害獣みたいな処もあるらしいんですけど(笑)。鴨川も最近ちょっと増えすぎて問題になりつつあって。で、何故それをレーベル名にする事にしたかと言うと、色んな意味があるんですけど、見た目可愛いっていうのもあるんですが…嫌われ者感もあるけど、じわじわ広がっていってやろうっていうのと、ドブネズミ根性でやってやろうじゃないかっていう。あと、漢字で、ヌートリアって、「沼狸」(ぬまだぬき)って書くんですよ。
●わははは(笑)。
浦山:それを音読みすると、「ショウリ」ってなるんです。
●わー!本当だ。
浦山:最終的には勝利につなげようじゃないかと。
澤本:そう。そんなこと話してた。最初は、鴨川にヌートリア出たよねって話からで。
浦山:まあ、後付ですけど。じわじわ増殖してやろうと思います。
●はい。これレーベル主催って事で、LOVE限定じゃなくて、別のアーティストさんもリリースするんですね。
浦山:はい。ただ単純に自主レーベルを立ち上げましたっていうよりは、インディで良い音楽をやってて、中々CDを出すきっかけが無いバンドって結構いっぱい居て。僕らにそんな影響力があるわけでもないけど、そういうバンドも世に出すきっかけを作れたらなっていうのもあって。せっかくレーベル立ち上げるんなら、そういうこともチャレンジしてみようじゃないかと。
●色々大変なこともあると思いますが頑張ってください!
浦山:はい。自分の事頑張れよって、よく言われますけど、
寺井:(笑)。
浦山:まず自分らのバンドだろう(笑)って言われますけど、それだけやってたら、そんなバンドいくらでもいるじゃないですか。
●じゃあ、LOVE LOVE LOVE、めっちゃヤル気ですね。
浦山:やる気です!メラメラしてます。
●若干今、皆疲れてるけど(笑)。
寺井:疲れてます。
澤本:あはは(笑)。
浦山:くまモンに負けないくらい増殖します。
●いや、くまモンには勝てませんー。
浦山:ゆるキャラも作ろうと思って。
澤本:ヌーやんっていう。
全員:ぎゃはははは(笑)。

●はい(笑)。で、第一弾がLOVE LOVE LOVEのリリースで。
浦山:はい。勿論我々の。
●『Flag』(フラグ)ですね。タイトルに込めた気持ちから教えてください。
浦山:どうですか?
寺井:旗揚げでしょ?
澤本:あははは(笑)。
浦山:だから10年目にして、新しく、再スタートっちゃ再スタート。再ってあんまり言いたくないですけど。このレーベルを立ち上げるっていうのもあるし、自分たちの手で完全セルフでやるっていうのもあるし、一旗上げてやろうじゃないかっていう意味でもあったり。第一弾旗揚げ、これを「フラッグ」じゃなくて「フラグ」にしたのも、よくネット用語であるじゃないですか?フラグが立つとか。LOVE LOVE LOVEこっからクルぞっていうフラグを立てるという、そういう意味ですかね。