見放題2014
見放題実行委員長・民やん インタビュー
SPECIAL[2014.07.02]
●見放題自体はどんな風に運営してるんですか?
民やん:運営で言うと、主催は2人ですね。(民やん・Dai-chang)
●あ、そこは変わらずなんですね。
民やん:変わらずで。責任部署としてはこの二人が。あとはボランティアスタッフなんですけど、毎年募集してて、入れ替わりがあるんです。去年は60人以上居たんですけど、それが全員今年も残れるかって言ったら、就職しますとかもあるんで毎年変わっていくんですけど、やっぱり毎年やってくれてる子が幹部みたいな(笑)そんな役職は無いんですけど(笑)、続けてくれてる子は僕らのスグ近くに居て。昔、それこそ3年目くらいまでは、全部2人でやろうとしてて、パンクしてたんです。ちゃんと整理したのは去年くらいからなんですけど、それぞれ担当を持ってもらって。例えば君はTシャツの担当、ってアイデア出しから発注から全部任せるっていう感じで。勿論僕らにいっぺん投げてもらうんですけど。
●なるほど。仕事を振り分けられる人材が育ってきたって事ですね。
民やん:はい。3年目です、4年目ですっていうスタッフがいるんで、そういう子らのおかげで成り立ってると言うか。それぞれプロフェッショナルになってきて。
●今年は何人ぐらいになるんですか?
民やん:今年は100人の予定ですね。各ライブハウスにハコ担当のリーダー、見放題スタッフが居て。リーダーと店長で色んな判断したり。昔は「どうしたら良いですか?」って全部僕に電話がかかってきたんですけど(笑)。今はもう、ハコのリーダーに任せてて。同じハコで毎年やってくれてる子もいるんで、店長との信頼感も出来てきました。あとはハコ側もMINAMI WHEELで慣れてるんで、ほぼ押すことも無く出来てるんです。やっぱりね、タイムテーブル出てるのに、ズレて分からなくなるって、お客さんにとっては良くないんで。
●はい、バンドの選定は変わらず2人で?
民やん:実は、ちょっと変わってきてるんですよ。若いスタッフとかも意見を出してきていて。別に僕らが現役として駄目になってるとは思ってないんですけど、いい年齢になってきたので(笑)。合う合わないとかも当然あるんですけど、若い子がお勧めする物を、聞く耳をもって。逆にお前が担当するなら、みたいな。そういうのも少しずつ、始まってますね。
●それは本当にイベントが育って、スタッフが育ってきたからですよね。
民やん:はい、そうですね。まあスタッフも、皆が皆、こういう風にイベントをやることを目指してる子じゃないと思うんですけど、音楽好きだからって来てる子もいますし、友達が増えるからっていう子もいるし、それはそれで良いと思うんですよ。その中でもイベントをやりたいって、現に自分でイベントをやってる子もいるんです。そういう子が持ってくる案には僕らもちゃんと向き合って。閉鎖的になったらもう駄目だと思うんで、頭柔らかくして。
●でもちゃんと2人が聴いてジャッジするのは変わりなく?
民やん:ああ、聴きますね。聴かずに決めることは無いし、出来ればライブもちゃんと見に行きます。
●今年は何アーティストくらいになるんですか?
民やん:120、くらい(笑)。変わってきてるのは、返事の、レスポンスが早くなってきてる。良い方向に早い。このイベントをちゃんと考えてくれてる人が多いんやなって、嬉しいですね。若手のバンドは勿論、事務所が付いてるようなバンドも、レスポンスが早くて、7月の事なのに12月にOKくれちゃうバンドもいて。7月の頭って、まだツアーシーズン中で、春のリリースからのツアーで、次は夏フェスにっていう時期で、6月にツアーが終わるバンドもいるんで、タイミングが悪くて出れないバンドもいるんですね。それは仕方ないんですけど、そこも考慮に入れてくれて、見放題前にツアー終わらせますって言ってくれるバンドとかも居たりして。昔は「他に誰が出るんですか?」って聞かれることが多かったんですけど、今は聞かれなくなりましたね。
●はい。見放題と言えば特典のCD、今年もコンピはあるんですか?
民やん:あります!コンピは3年目から毎年やってますね。正直、今の状態ならCD特典を付けなくてもお客さんは来てるくれると思うんですけど、昔は動員の為の付属でもあったんです。そういう意味では今は必要ないんですけど、でも、バンドの「次のため」になって欲しいと思ってやってますね。バンドのきっかけになってもらいたい。このコンピで知りましたって、バンドの子らが、めちゃめちゃ後々言われるらしいんですよ。一昨年だったらKANA-BOOMとか、去年だとTHE ORAL CIGARETTES入ってますとか、それは偶然でもあるんですけど、若手にすれば聴いて貰える機会が増えるんで、一緒にやって行きたいバンドの後押しになればなって。なんで2枚組みとかになって、収録バンドもどんどん増えていっちゃって(笑)。楽しみなコンピになれれば良いなと思います。
●はい。開催年によってカラーはあると思うんですけど、今年はどんな物になりそうですか?前に見放題関係なく話した時に、民やんが「歌物がやっぱり好きだ」って話をしてたなと。そういう要素は入りそうですか?
民やん:そうですね、2人のブッキングが本当に違いすぎるんで、見放題をひとつで言うのは難しいんですけど、僕の中ではそういう気持ちが大きくて、今は歌物の出演者を集めて行きたいって。去年はそういう要素がちょっと弱かったかなと思うので、今年は歌を大事にしてるバンドを押したいなって。歌物って、一番普遍的だと思うんですけど、若手の歌物も押して行きたいし。また少し、今年は変わるかな。うん、毎年一緒じゃ面白くなくなると思うんで。良くないから変えるっていうワケじゃないんですけど。毎年毎年、出演者は大幅に変えたいって思いはありますね。また新しいものを知って欲しいし、勿論去年出たバンドも出ますけど。表には出さないけど、何となくのコンセプトは二人の中にはあります(笑)。
●今年の、民やん的予定とか目玉とか。言える範囲で。
民やん:んー、今、関西面白いと思うんですよね。
●ああ、確かに去年一昨年ぐらいから関西発のバンドに勢いありますね。
民やん:そういう意味でも、そのもう一世代下のバンドも出してあげたいっていう気持ちが。今まではなるべく、順序とか、良い物から選びたいってあったんですけど、まだまだやなって思っても敢えてそういう若手を出したい。こっから面白くなりそうな奴らを。今まではあれぐらいのレベルじゃないと出れないよねって言われてたのが、あいつ等も出れるんだ、ってなったりすると、俺達も出たいから頑張ろうとか。相乗効果に繋がる意味でも、これからのバンドもピックアップしたいなって。そういう気持ちも今年の僕の中にはありますね。
●それは楽しみですね。では見に来る人たちにメッセージを。
民やん:皆色々、決めてくると思うんですね、タイムテーブルこう回ろう、とか。それをぶっ壊せるくらいのフェスやと思ってるんで。規制もかかると思うんです、絶対。規制で入れなくて横にいっても面白いよって、新しいものを知って欲しいし見つけて欲しい。他のハコにどんだけ行けるかっていう面白さ、その距離感にライブハウスがあるのが楽しいと思うんで。僕らもBIGCATがメインステージだとは思ってないし120組全部が主役だと思ってるし。どこでも面白いんで、その時の気持ちのままにライブハウスのドアを開けて欲しいです。きっと面白い物があると思うので、知ってる物だけを見るんじゃなくて、この名前気になるなってだけでも良いんですよ、知らないバンドを見て欲しいなと思います。一つでも良いんで。
●ありがとうございました!!

(TEXT:朝倉文江)

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