グッバイフジヤマのファーストフルアルバム『この胸いっぱいの愛を』のレコ発イベントが挫・人間を対バンに、転換アクトに渡辺諒(アンテナ)、西村竜哉(プププランド)を迎えて賑やかに行われた。グッバイフジヤマのライブをレポート!
会場内にスピッツの『チェリー』が?と思うと、メンバーが唄いながら登場…一人足りない、と思ったらドラムの高原が「これSEだよ!皆もっともっと!中山が出てこられない!」と音頭を取りながら言うと、フロアからの歌声と手拍子が大きくなる。ボーカル中山はなんとライブ会場の後ろのドアから登場(笑)。歓声と笑いが起こる。もうクアトロの中は笑顔で包まれていた。そしてステージに4人が揃うと中澤のベースからライブスタート。中山はスピーカマイクを手に取り、1曲目は『戦争しましょう』。連呼される「戦争しましょう・戦争反対」でフロアが暖まっていく。2曲目は中山がギターを持ち、「皆しゃがんで!ジャンプ&ダンス!踊っていこうぜ!」とフロアを座らせ、高原の「1、2、3!」のカウントで『レノンとマッカートニー』へ。皆でジャンプ!ミラーボールも回り、楽しい場内がいっそう華やかになる。中澤と高原がアイ・コンタクトを交わすシーンも。フロアは「STAND BY ME」のサビで皆手を上げて大きく振っている。グッバイのお客さんはライブを楽しむのが上手だ。「ありがとーう!」と一言挟んで、『夜明けのシュプレヒコール』へ。キラキラとした音とセンチメンタルな歌詞で少し切なくなる。サビではオレンジ色のライトが歌詞の夕焼けを演出しているようでとても綺麗だった。曲が終わると中山がこぼれんばかりの笑顔になった。「今晩は!グッバイフジヤマです!ありがとう、来てくれて!」と挨拶。続いたMCでは今日のレコ発の共演者、挫・人間や転換アクトの2人についてのエピソードを話し、バンド同士の仲の良さがとてもよくわかった。
次はパワーナンバー『ひばりくんの憂鬱』へ。「捕まえて~」のワンセクションをコールすると、おもむろにギターのルーが「花束を用意しました!」と手振りで皆を誘導&花束トスパフォーマンス、こういうショーアップされたライブアレンジも楽しい!中山はいきなりフルテンで歌い出し、お客さんも負けじと弾ける。中山の後ろで3人がアイコンタクトを取りながら音を合わせ、サビではまた手のひらが舞う。コーラスを入れるメンバーもセンターの中山もライブをする事が楽しくて仕方ないってくらいの全開の笑顔で歌っていて、こっちまで楽しくなってしまう。5曲目は『やまぐちみかこに騙された』、フロアの皆は手拍子&ジャンプ。サビでは特徴的な上下する手振りで皆でわっしょい!中山はギターを置くとハイドマイクで歌い、途中でルーのギターを二人羽織的に中山が弾く、何というか合体ギターみたいなプレイも見れて面白かった。次は盛り上がりナンバーの『ですとらくしょん!』。中山はまたもスピーカーマイクを手にし、フロントのメンバーは前に出て煽る。カラフルで派手なライトが曲のパワーを増大させていく。中山はステージを右・左と歩き、柵に立ち上がって唄い、フロアはそれを支える。最後は赤いライトで情熱を表しているよう。彼等のライブはお客さんの挙げる「手」が握った拳とか特徴的なサインとかじゃなくて、開いた手のひらが多い。まるでステージとフロアでハイタッチしてるみたいだなと思う。
次は高原がMCしつつ、ルーがタオルを配り始める…何事かと思ったらバンドから皆へのレンタルタオルらしい。中山はアメちゃんを配っている(笑)。そんな『Summer of Lovers』のサビではみんなタオルをくるくる。フロアが海みたい。途中でストラップが外れてしまった中山のギターを、ステージにそっと乱入していた『挫・人間』の夏目氏似の「グッバイスジ山」なる謎の人物が支えて弾くシーンも(笑)。
次はルーがMCを取り、『恋のダンスビート』へ。ミラーボールも回ってクアトロがキラキラなダンスホールに変わる。グルーヴィンな中澤のベースラインにルーの弾むギターフレーズが乗って、それだけで気分が上がる!みんなで手を横に振って、間奏では手拍子も。改めましてのMCでは「ツアー初日に来てくれてありがとう。これからもよろしくお願いします!」と挨拶。そのまま次に歌う『陽だまりのセレナーデ』について話そうとしていた中山が上手く言い切れなかった所をドラムの高原がフォロー、バンド内の一丸感も垣間見えた。演奏がしっとりと始まると切ない歌詞が物悲しく暖かく紡がれる。泣きのギターフレーズも情感たっぷりに鳴り、オレンジのライトが曲の暖かさを増していくよう。ラストのアルペジオギターを中山が大事そうに奏でているのが印象的だった。最後は『星めぐりのこどもたち』。インタビューで中山が言っていた「特別な曲」という言葉が頭をよぎる。ちょっと真剣な表情で真っ直ぐ前を向いて唄う中山、ふと後ろに目を向けると、高原がコーラスパートではない歌メロを一緒に歌っていた。やはりメンバーにとっても大事な曲なんだなと思った。
アンコールの拍手に請われてメンバーが再びステージに登場すると、来年のツアー告知を挟んで、今のグッバイフジヤマを唄ってるという『BOYS IN THE BAND』。退屈な音楽をぶっこわしたい!なんて、なんとも気持ちいい言葉だ。ラスサビ前にはコールアンドレスポンス、みんなで歌い、このライブの一体感が増していく。そして最後の最後は『この胸いっぱいの愛を』。アルバムタイトルにもなっているナンバーだ。中山の邪気の無い素直な歌声が響く。メンバーがステージ上で目を合わせては笑っている。嘘偽りない今の彼らの気持ちなんだろう。わっしょい盛り上がった後にこんなにほっこりさせるなんてズルイな。本当、良いバンドです。楽しいと楽しませたいが混ざりあった賑やかなレコ発でした。年明けからはツアーも始まるので久しぶりの人も気になってた人も、今のグッバイフジヤマを確かめに行ってください。(朝倉)