■2013.07.05 梅田シャングリラ
SAKANAMON  閃光のジャスティスロードツアー
REPORT[2013.08.06]
春のシングル『シグナルマン』のリリースツアー、中日の大阪・梅田シャングリラはソールドアウトの超満員!首にブルーのタオルを巻いている人も多数、皆楽しみに待ってた!っていう笑顔でいっぱいだ。客電が落ちると歓声が湧く。おなじみのSEが流れると手拍子が始まり、メンバーが現れると更に大きな歓声になった。
1曲目はボーカル藤森の歌い出しから始まる、『妄想DRIVER』。「こんばんは!SAKANAMONです!」と一言挟んでライブスタート!最初っから大盛りあがりの場内は腕が沢山上がっている。メンバーの顔は気合い充分でケンカ売りに来たみたいだ(笑)。それだけこのステージに気持ちが向かっているんだろう。「ABC~」の部分ではお馴染みの手拍子もあがり、フロアは楽しそうに弾んでいた。続けて疾走感&爆発力最強な『カタハマリズム』へ。この曲だと分かると歓声が湧いた。増して行く空間の熱量、ワンマン特有の親密感、この時間を楽しみたいっていう気配で溢れている。ベース森野も「よろしくお願いします!」と一言挨拶して、デジタル音をスパイスにした『SAKANAMON THE WORLD』へ。電子音と3ピースの音の融合、藤森のシャウトがシャングリラを染めていく。場内に設置されたシャンデリアがキラキラと光を反射させて綺麗だった。

ここでMC「粉モン大好き!SAKANAMONです!」と挨拶。これ、関西限定の挨拶文句なのだ。東京だと「お肉大好き」が掛け言葉なのだが、大阪は特別版(笑)。「僕らは、スリーピース、ロック、バンド、SAKANAMONと言いマス!」とちょっと棒読みちっくな挨拶に場内は笑いに溢れる。メンバー紹介をして、次はドラム・木村きっかけで『空想イマイマシー』へ。ドラムに合わせて皆で手拍子する中、ライブアレンジされたイントロセッションもカッコイイ。こういうのはライブならではの楽しみの一つだ。後半のお楽しみコーナーではこの会場にちなんだ一節を歌い、歓声を浴びていた。続く『脳内マネジメント事情』は最初っから手拍子に支えられている。『僕の登下校』では森野がベースでリズムを繋いでいる間、藤森が横ノリで乗りながら曲の説明をし、それをニヤニヤしながら見ている森野・木村。3人のバランスは本当に面白い。お客さんも横ノリの藤森をみてクスクス笑っている。愛されキャラってこういう事だなーと思った。演奏の方は勿論ガッチリと。曲が後半に進むにつれ、荒々しく、クールになっていく。そのクールさをそのままディープに進化させ『かくれんぼ』へ。炸裂するライトと紅いライトが交錯してドキリとさせられる。音源とはまた一味違う激しい演奏も、熱く畳み掛けるような3人の掛け合いも漢気に溢れている。これは本当にライブで見て欲しい一曲だ。
MCでは森野も「粉モン大好きSAKANAMONです」と挨拶。今まで大阪にライブに来た時は深夜に高速を走らせて来た、とか。過去の遠征エピソードを語り、木村が補足、藤森がちゃちゃ入れ、といった絶妙なトライアングル(笑)。そして藤森が「僕らが初めてライブをやったライブハウス、青春を送った場所です」と話し、『真夜中の大岡山にて』を演奏。メンバーが働いていた事もある東京・大岡山のライブハウスPEAK-1がテーマになった曲だ。真摯な表情で歌い始める藤森、しっとりした前半から途中激しくなったり、ROCK'N'ROLLなフレーズが入ったりとカラフルに変わっていく。きっと彼等の始まりの時間が詰まった曲なんだろう。一息ついて、絞られたライトで薄暗いステージから奏でられたのは『ARTSTAR』。芯の強い藤森の歌声が凛と響く。歌い上げ、シャウトに変わるその声の色、哀愁と憧れと希望が見事に表現されていた。アウトロへ向かう時の3人のアイコンタクトに一瞬目を奪われる。ステージ上の演者達のやり取りが見れるのもやっぱりライブだ。次の『バラエティ』では精悍な顔つきで真っ直ぐ前を見詰める藤森の表情が印象的だった。「真面目コーナーでは精神力を使う」なんて藤森のMCも。ディープな曲達が聴けるのもワンマンの楽しみの一つかもしれない。森野からは「2013年も半分終わったけど、どうですか?」との問いかけが。3人の2013年抱負とそれがどうなったか等を話し、藤森のここ数年の希望だった引越が完遂された報告も。それにまつわる曲として『102』を演奏。その内容は歌詞にそのまま現れてるので、音源化された際には是非歌詞を確かめて欲しい。そして新曲をもう1曲、と『崩壊パッケージ』へ。リズムとグルーヴ、歌メロの流れが独特な味のある一曲だった。次は3声コーラスから始まる『架空の色彩』。デジタル音とスリーピースのアンサンブルが絶妙に調和した、しなやかにドラマティックな一曲、歌詞の世界観に沿うようにカラフルなライトワークも美しかった。次のMCではTVドラマ『たべるダケ』のオープニングテーマになった話題。豪華な特典と楽しげな特典の話に場内は笑いに溢れる。まだ間に合うので是非シングルの予約を!そしてそのテーマソングになった『花色の美少女』を演奏。イントロのギターを気持ち良さそうに奏でると藤森はかすかに笑った。これは楽しくて仕方が無いんだろう。疾走感で突き進むかと思えばサビは和メロっぽかったり、ジャジーな部分も垣間見えたりと、転調も展開も多い魅力的なナンバーだ。もっと深くこの曲を知りたいと思った。
MCでは木村先導の元、アゲッコーナーへ。木村のアゲエピソードに場内は大爆笑!そしてドラムの各パーツを擬人化した「学園ドラム」の新コーナーも登場(笑)。これは最終日の東京では更に学園ドラマが進化していたので、これからライブでの変化も楽しみである。そしてアゲコール&レスポンスで盛り上がる!超絶アゲッ!なアッパーモードのまま『マジックアワー』へ。檄エモなテンションで疾走していく。森野は前に攻めてフロアを煽り、藤森はサビの後半をお客さんに委ね、そして会場全体から歌声が上がる!高揚感と一体感にゾクゾクした。そのぶっといグルーヴは『便乗鴎の世界』まで途切れることなく駆け上がっていく。盛りあがり続けたフロアは次に鳴らされた印象的なギターフレーズに更にアガル。『ミュージックプランクトン』だ。歓声と拳が上がる。飛び跳ねている人も多数!曲間では「大阪ー!!」というシャウトも飛び出した。ここでもサビは皆で歌った。フロアを埋め尽くす笑顔とステージから放たれる熱量がぶつかり、脳髄が痺れるような感覚に気持ちよく酔った。そこでしか体感出来ないモノを共有した場内からは大きな歓声が湧いていた。ラストは『シグナルマン』!手拍子が鳴り止まない。暴れ馬のような森野のベースと戦車のような木村のドラム、切り裂くようなギターの音色が絡まり、SAKANAMON特有のグルーヴを生み出していく。ふとフロアを見ると自主的に一緒に歌っている人も。それらを藤森の力強い歌声が導いていく。そして最後のキメ台詞「閃光のジャスティスロード」を皆で叫んだ。演奏の大きさにも負けない程の歌声がシャングリラの中に響いていた。そのパワーに思わず身震いをしてしまった。声を聴いたメンバーが「ありがとう!」と返し、嬉しそうに笑う。大きな拍手に包まれて本編は終了。このまま終われない、とすぐにアンコールを求める拍手が上がったが、なんと「アゲ」コールでのアンコール(笑)。これは大阪特有のアンコールだそうだ。そしてステージにお手製のシグナルマンのマスクをかぶった藤森。アコースティックギター一本で「いらない」を弾き語りで演奏する。しっとりと紡がれる歌とアコギの響きが場内を満たし、皆気持ち良さそうに横揺れしている。被り物のままで歌うシュールさ(笑)も彼らしい演出の一つになっていた。後半はお客さんの手拍子とコーラスも合わさって暖かな一体感が生まれている。森野と木村を呼び込み、最後の最後はパワーナンバー、『ハロ』を演奏!シャウトそのままに歌う藤森の気迫に圧倒される。それに応えるように腕を振り上げるフロアは隅から隅まで笑顔に満ちていた。最後まで惜しみなく盛り上がってライブは終了。
ステージの熱量とフロアの熱量がぐるぐるに混ざり合い、最高のコミュニケーションが生まれているのを目撃できた大阪ワンマンだった。(朝倉)



SET LIST:
01.妄想DRIVER
02.カタハマリズム
03.SAKANAMON THE WORLD
04.空想イマイマシー
05.脳内マネジメント事情
06.僕の登下校
07.かくれんぼ
08.真夜中の大岡山にて
09.ARTSTAR
10.バラエティ
11.102
12.崩壊パッケージ
13.架空の色彩
14.花色の美少女
15.マジックアワー
16.便乗鴎の世界
17.ミュージックプランクトン
18.シグナルマン
EN
01.いらない
02.ハロ