●『答えはいつも』 藤井:これは、クラウドファンディングにBOOWYの高橋まことさんが出資してくれて。 大久保:出資するから叩かせろ!って。 藤井:出資もしてくれて叩いてくれるって、先輩!意味が分かりませんって(笑)。 大久保:(笑)そういう事だったんで、せっかくだからまことさんと演る用の曲を書いてきて。 藤井:まことさんが叩いたら一番カッコよくなる曲書きたいなって思って。 ●凄いですね。 藤井:まことさんも福島だから、福島の事を歌った歌にはしたいなって思ってて。色んな事を受け止めた上で、皆日常生活を送ってるっていうところで、人生なんて答えなんかないのに探しちゃうから、それが人間だけどってところを書きたかったのと、あと、ビート。まことさんが叩いたら絶対にハマるビートをイメージして。 ●頭に入ってるカウントは? 藤井:あのカウントの取り方ってさ、もうまことさんじゃん。もう武道館が見えんだよね。BOOWYの頃のまことさんのカウントそのまんまだからさ。これ中学生の時聴いてたわ!と思って。カウントから入れたいって言って。 ●そこも聴き所と。 藤井:そうそう! ●次は『思春期だから』にょきにょきですね。 藤井:これは、歌姫オーディションみたいなのがあって、10代くらいの女の子が10人くらいいて、その中に13歳くらいの女の子が居て、お母さんにめっちゃ生意気な口きいてるわけ。 大久保:(笑)。 藤井:もう思春期ってすげぇなあって思って(笑)。その子が歌ったらどういう歌唄うんだろうなって思った時に、これが出てきて、結構いい曲だったから自分等でやりたいなって、自分達の曲にしたんだけど。 ●その、にょきにょきってどっから? 藤井:その子が、振り付けしてやってたら面白そうだなって思って(笑)。あと思春期ってさ、反抗もしたくなるけど、恋したりさ…その恋の仕方もさ、今思い返してみれば色濃いじゃない。そういう所で音楽が鳴ってるとしたらどういうのかなって。素直になれないじゃない?思春期だと。俺等は万年思春期みたいなもんだけど(笑)。 大久保:万年反抗期(笑)。 藤井:それはちょっとキツイな(笑)。 ●これも爽やかな。『one way story』 藤井:うん…きっかけは某アイドルに書こうかなってところで書いたんだけどね。 ●ん?? 藤井:何か、コンペみたいなのがあって、前の事務所の時にそれに出してみようかって。男性グループだけど、そのアイドルが歌ってたら、ハマりそうだなって思った曲を書いた。で、人のイメージで書くと全然違う曲になるから。それが何故か大久保が好きって。 大久保:(笑)。 藤井:やたら爽やかな曲になったりするから。どうしても自分等のイメージで書くとちょっとだけ暗くなるから(笑)。突き抜けて明るい曲にはならないからさ。 ●切なさが漂っちゃうから。 藤井:そうそう。だからアイドルの人が歌ってたらって思うとそういう感じでしょ。あと、12弦ギターは入れたかったから、これは使ってる。 ●他にレコーディング的な話ありますか? 藤井:これは本当は、2曲だったの。大久保に、どっちの曲やる?って。一緒にしちまうかって。 ●え、別々の曲を合体? 藤井:うん。ちょっとやってみるわって。すぐ出来て。 大久保:間奏も何も無いんですよ。イントロもアウトロも。 藤井:造りがおかしいよね、これ。 大久保:歌の部分しかないんですよ。 藤井:歌入りだしね。今までに絶対無いよね。 ●では最後の『生きていくことは 』 藤井:これも箭内さんが作詞してくれた曲なんだけど、何か…箭内さんか詞が届いた時に、「だよな」って思った。何だろ、自分の中に…ストンって。納得できた自分が居て、このメッセージを分かって生きていくと絶対楽だよなって。皆にも絶対に分かって生きていって欲しいなっていうメッセージで。そんな事分かってるよって言われそうだけど、言われると「だよな」って、忘れてた!って思えると思う。何かストンと落ちてくれると良いなって、胸のところに。 ●これは押し付けとか全く感じない、メロディの美しさもそうだけど、ボーカルの温度も、沁みるっていう感じですね。 藤井:確かにボーカルの温度は重要だよね。 ●やっぱりそれは藤井さんがこの詞に対して感動して揺らされたっていうのもあるんでしょうね。 藤井:うん、多分。それが素直に出たんだと思うんだけど。あと、ずーっと、インディーズの時からお世話になってたスタジオがこないだ無くなっちゃった(閉店した)んだけど、そこの休憩時間にそのスタジオの窓開けて、前を通る車の音とかオサムさんが聞いてて。その瞬間も入れたいと思って、一番最初に流れてる車の音とかは、あのスタジオの窓から聞こえる音。 ●良いですね。色んな人が色んな思いを抱えてるけど、それをほぐしてくれるような曲ですね。 藤井:そう、リセットしてくれるよね。本当に。 ●全体的にみて、やっぱり12曲必要だったんだと思います。 藤井:だよね。始めはこれ入らない予定だったんだけど、入れたくて。本当は特典用の曲になるハズだったの。でもこの曲が無いとアルバムが締まらないなって思って。 ●ああ、でも確かに前向きな曲が続いて、最後に心の置き所が来る、この形がしっくりします。 藤井:そうそう。凄い重要だから。このアルバムは本当にマジック起きてるよね。 ●本当に色んなミラクルが、魔法が。初聴きの時、また初期衝動来ちゃったなコレって思って。 藤井:アラフォー世代が生んだ若返りの一枚(笑)。 大久保:ちょっと(笑)。 ●(笑)でもこれ10代にも20代30代にも分かると思います。 藤井:うん、全方位型だよね。 ●ジャケットはどんな感じに? 藤井:ジャケットはクラウド盤と通常盤は別になるんだけど。クラウド盤は俺が撮った写真とかで全部出来てるんだけど、通常盤は北欧っぽい感じに。 ●何というか、クラウドが成功してからずっと忙しいですよね。 大久保:常に何かやってる感じですね。 藤井:クラウドファンディングの会社の人が、こんなに黙々と作業する人今までで居なかったって(笑)。俺等早く終わらせて飲みに行こうって思うから、そのパワーが凄い。 大久保:普通だと休み休みやろうとするから(笑)。 藤井:もう黙々と!あと、本当にメンバーが梱包してる人も初めて見ましたって(笑)。 全員:わはは(笑)。 藤井:大体スタッフさんですねって言われた。いやそれじゃ伝わんねぇって。本当に黙々とやってたよ。 ●いやいや、手から手へ感、大事! 藤井:で、大量の郵便物もって郵便局行って嫌な顔されるっていうね(笑)。 大久保:わはは。 ●(笑)。でも今年は本当に新しい経験の年になったんじゃないですか。 藤井:うん、本当に。 大久保:初めての事だらけだったんで、貴重な経験にはなりましたね。 ●ではこのアルバムについて読み手にメッセージをお願いします。 大久保:こういう物を作ろうっていう最初のイメージはライブで盛り上がれる、ライブで皆と共有できるようなアルバムを作りたかったんですけど、それは本当に出来てると思うし、いざ出来た物を聴いてると色んなシチュエーションに、ドライブとか、日常とか、本当に色んな場面に合った物だと思うんで。CDを手に取って色んなところに連れて行って欲しいですね。ライブは絶対来てください。 藤井:さっきも言ったけど、通勤・通学とかね、「今週も始まんのか…」って時に聴いても、「ヨシ!今日も行ける!」みたいな、結局は前向きになれるっていう、聴いた後清々しくなるし、何かしたくなるっていうか、何か仕掛けたくなるとか。そういうアルバムになってると思うから。プラス、ライブじゃないと分からない力の貰い方とか、絶対にそういうライブになると思うんで、今回のツアーは。本当にこれは聴かない手は無い。本当に聴いて欲しい。ので、これ聴いて、ライブに遊びに来て欲しいなって思います。 ●今後の予定は。12月にシェルターワンマンがありますね。 大久保:ちょうど発売の一ヵ月後ですね。 藤井:アルバムの曲は全曲演ると思うんで。『思春期だから』の振り付けを考えてきてください(笑)。 大久保:見てみたい(笑)。 藤井:見てみたいねぇ。 大久保:シェルターの2日前に郡山でもワンマン演るんで。それも楽しみにしてもらえたら。 ●じゃあ、にょきにょき振り付け選手権? 大久保:あはは(笑)。 藤井:(笑)各々のにょきにょきを。 ●ワンマンの後は何かあったりしますか? 藤井:ツアーしたいなって。 大久保:色々考えてはいるんですけど、発表はもうちょっと待ってて下さい。 藤井:こないだ大久保に言ったのは、「そろそろシングル録らない?」って(笑)。 ●(笑)曲は沢山あるんですよね。 藤井:うん。 大久保:出来る時にやらないと。 ●じゃあ次の一手も二手も考えてると。 藤井:うん、期待してください。 ●はい、ありがとうございました!楽しみにしてます。 (文・写真:朝倉文江)
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