ラッキーオールドサン 『Caballero』インタビュー
INTERVIEW[2016.06.22]
●次は『ゴーギャン』。これはタイトルが先だったのか歌詞が先だったのか、気になるところですが。
篠原:ああ、歌詞が先ですね。「人はどこへゆく どこから来たの」っていうのは、有名なゴーギャンの絵から拝借してるんですけど…。これはあんまり、説明過多になりたくない曲なんで、ざっくり言うとゴーギャンは、あの絵を描いて自殺しようとしてたんですよ。結局自殺はしなかったんですけど。自分達的には「人は」っていう難しい問答に対しての、自分達なりの回答が最後にあるんです。最後に集約されている。だからそういう曲ですね。
●なるほど。あと、「誰が為に~」の所はヘミングウェイですか?
篠原:はい。色んなところから拝借してますね。そういう言葉は。「歌うことは花を飾るように」もそうです。拝借じゃないけど、インスピレーションを受けたのが、誰だっけ…國分…哲学者の。
ナナ:あ!あれのやつ?
篠原:確か僕が立ち読みして良い帯文だなと思ったんですよね。
●でも色んな物に影響を受けて書くのも篠原さんのスタイルの一つですよね。
篠原:そうですね。色んなところから拝借するのは好きです(笑)。
ナナ:私、分かりましたよ!さっきの、國分功一郎の『暇と退屈の倫理学』っていうのがあって、それに多分ありますね。
●おー。流石メンバー、スルッと出てきますね。ちょっと読んでみたいです。この曲はPVも凄く素敵ですよね。
篠原:あ(笑)。
中井(kiti Label):いやいや、やらされました(笑)。
●中井さん最高でした(笑)。つけヒゲも。
ナナ:ヒゲは私が持ってきました(笑)。
中井:嵌められました(笑)。
篠原:でも、蝶ネクタイは持参してましたよね(笑)。
全員:(笑)。
●あのPVは何処で撮ったんですか?
ナナ:月崎っていう、千葉の方の。
中井:小湊鉄道です。(千葉県市原市)
●凄く素敵な雰囲気で。あと(笑)歌詞に合っててナナさんが踊れなかったり。
ナナ:ああ(笑)。コケちゃったんですよ。
篠原:あと、これは祝祭っていうイメージがあって、そういう感じの音とか世界になってます。
ナナ:これは、ピアノを谷口さんに弾いてもらった時に、凄くテンションが上がって、ピアノって凄いな~って(笑)。初めてピアノを入れたので感動しました。

●では最後、『なんとなく』。
篠原:あ、『なんとなく』だけ、このアルバムに寄せた曲だと思うんですけど。
ナナ:これ、台湾で出来たんだよね。
篠原:あ!そうだ!これ、台湾で出来たんですよ。台湾でライブをしたんですけど、ホテルでギター弾いてて、出来て、すぐ録音して。最初は台湾ビール飲めるようになったっていう歌になりそうだったんですけど(笑)。
ナナ:そうだったんだ。台湾ビール(笑)。
篠原:曲はどこでも、ずーっと自然と作ってるんで。歩きながらでも。ああ、だからこれ旅なのか、もしかしたら。
●ああ、旅先で生まれてる曲?
篠原:旅をして台湾ビールで乾杯をした友達、みたいな所から始まってるから(笑)。そこが原型になってるから「旅感」が出てるのかも。

●では今後の予定などを教えてください。
篠原:次は、めちゃめちゃ凄い物を作る予定で、一回、内省したところで、枯れ切るのはまだ早いっていうのが分かったんで(笑)。今度は反動が如く、このギューっと抑えてバーンと弾けるような、強烈な物を作りたい。
●あの、2人ともめっちゃ笑顔ですね。
篠原:あはは(笑)。
ナナ:(笑)。
篠原:今度はそういう意味で言うと「挑戦」したいですね。今度は内にも外にも向けて、そういう物にしたい。
ナナ:まだまだ、枯れてられないなと思ったので(笑)。ちょっと頑張ります、これからも。はい。
●はい。いつぐらいに、とか、構想はあるんですか?
篠原:具体的には何も決まってないんですけど、ちょっと時間を掛けたいなと思ってますね。そこはもう静かな闘争と言うか、爆発ってのは逆に静かな戦いなのではないかと、岡本太郎先生も言ってますんで(笑)。
全員:(笑)。
篠原:次のアルバムは音楽的にも今までに無い事をやろうと思ってたりするので…既に今、曲も作ってるんですけど、転調とか、今まで自分がやってこなかった事とかを。あと、ちょっと前の第一線のポップミュージックを聴いてて、だからそういう要素も入ってくると思います。中々演奏とかアレンジとか、大変な気がする。
ナナ:うん。
篠原:ストリングスとかも入れたいけど自分では書けないんで。だから人を巻き込まないと出来ないアルバムになると思いますね。
●はい。想像できないけど凄く楽しみです。あと、お2人ともおっとりしてそうに見えて、実はめっちゃ熱い人達ですよね。
ナナ:あはは(笑)。
篠原:いや、熱いっすよ(笑)。
●はい(笑)。今後も楽しみにしています!
ナナ:ありがとうございました(笑)。
篠原:よろしくお願いします(笑)。
●ありがとうございました!

(文・写真/朝倉文江)
撮影協力:新宿 カフェ アルル(CAFE ARLES)&次郎長


『Caballero』
01. 遠くの旅人
02. 夜汽車は走る
03. あくび
04. 恋の予感
05. ゴーギャン
06. なんとなく

KITI-023 / ARTKT-012
1,728円(税込)
kiti
2016.04.20発売 
LIVE SCHEDULE

ラッキーオールドサン『Caballero』リリースツアー「たいくつ騎士道物語」
2016/5/28(土)仙台 SENDAI KOFFEE
2016/6/11(土)京都 Livehouse nano
2016/6/12(日)名古屋 KAKUOZAN LARDER
2016/6/25(土)東京 下北沢440
その他イベントライブ多数。詳しくは公式HPにて

■公式HP http://luckyoldsun2013.tumblr.com/