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a flood of circle 『THE BLUE』佐々木亮介インタビュー
INTERVIEW[2016.03.28]
『THE BLUE』というタイトルは、自分のこれまでの事も、音楽やり始めてナベちゃんとやってきた事も、今が一番青いって事も、含めて、結構全てを表してる。あんまり周りの物に染められずにここまで来ちゃったし、染まれずにと言うか。それで良いと思ってる。

今年、活動10周年に突入したフラッドから届いたのはメンバー企画によるベストアルバム。100曲以上の持ち曲からメンバー自らが厳選した入門編!足踏みしてた人はまずはここから。コアなファンの方は初回盤をどうぞ。
ベストにまつわるストーリー&ツアー直前インタビュー。

●よろしくお願いします!
佐々木亮介:よろしくお願いします。
●10周年めでとうございます&ベストアルバム発売おめでとうございます。
佐々木:ありがとうございます。今年の1月2日で結成10周年になりました。
●では語りつくされてるであろうベストアルバム『THE BLUE』の事から(笑)。
佐々木:あはは(笑)。
●確かベストの企画は結構前からあったんですよね?
佐々木:去年の…秋とか夏終わりかな。10周年だしっていうのもあったし。夏前に『ベストライド』ってアルバムを出す時点でDuranが抜けて、それも半年っていう早いタームで抜けてたので…『ベストライド』は3人になって、3人での決意表明みたいな形で作ったんですよね。単純に曲として気に入ってたし。どういう風に変化させていこうかって思って作ったのが『ベストライド』だったんで。次に『花』っていうシングルを11月に出したんですけど、それは絶対に「代表曲」を作ろうっていう気持ちで作ったんですよ。何かの反動とかじゃなくて、3人でやっていくって決めた、名刺代わりになるシングルを作るっていうテーマで向かってたんで。じゃあその次にどういうアルバムを作ってこうかって話になった時に、ベストアルバムを作ろうっていう案が出て。『花』を作ってサクっと次のオリジナルアルバムに行くんじゃなくて、もうちょっと時間を置いてから、もっとバンドを成熟させた段階で次のオリジナルアルバムに向かった方が良いんじゃないかって。『花』っていう一つの柱が出来たんで、それにオマケをつけたような作品を作っちゃうんじゃなくて、時間をかけてやってみたいなっていう気持ちもあったんです。それまではあまりにもアルバムのタームが短かったんですよね、アルバムを出すペースが。
●ああ、確かにそうですね。
佐々木:まあ、このベストアルバムを挟む事によってあんまりペース的には変わらなくなったんだけど(笑)、10周年っていう数字の区切りも良いタイミングだったし、ちょうど持ち曲が100曲を越えた時期だったんで。
●100曲!そうか。
佐々木:そうなった時、CDを買って聴いて貰おうと思った時に、いきなり100曲買ってくれっていうのも酷じゃないですか?物理的にも。で、入り口になる作品をこのタイミングで出して、自分達で総括させて、次に進んだ方が良いんじゃないかっていうのがあったんで。「ベストアルバム」どうですか?って話を俺からしたんじゃないかな。ロンドンで新曲を作るっていう事も一つのチャレンジだし、ここで今までと同じペースじゃなくて、間を置いて作品を作るっていうのは意味があると思えたんですよね。
●はい、しかし詰め込みましたね。32曲て!
佐々木:そう、初回盤はね。基本的には17曲入りの物って思ってくれて良いんですけど。その2形態にしたのは意味がハッキリしていて、17曲入りの通常盤は2千円で売ってるんですけど、これは正に100曲以上あるバンドが、厳選に厳選を重ねたので聴いてくれっていう値段でもある。バンドの意思でもあるっていうか、このご時世なかなか17曲2千円で売るって大変なんですけど(苦笑)。
●そうですよね。そうとうやっちゃってますよね。ビクター時代の曲もあるし。
佐々木:ああ、ビクターも協力的にやってくれたんで、この形に出来たんですけど。だからこの価格は聴いて欲しいっていうメッセージの表れでもあるんですよ。で、やっぱり自分達で企画したベスト盤だったんで、ただ並べるだけじゃ面白くないっていう欲が出てきてしまって。これはこれで楽しめる作品にしたいって思った時に、完全版として3枚組の初回盤を作ろうと。それに裏ベストを入れちゃうのもつまんないと思ったんで、Disc1が通常盤と同じベスト盤で、Disc2は新曲を入れた4曲入りシングルみたいな形で。Disc3は完全ボーナスディスクとして弾き語りアルバム。普通、誰かにやらされてたらこういう形になんないだろうなっていう、ちょっと面白い形になったかなって。
●はい。てんこ盛りな(笑)。しかも10周年の間だけプライスダウンで2千円っていうのも良いですね。
佐々木:そうです。今のうちだぞと(笑)。
●17曲、厳選するのは大変だったと思うんですが、どんな風に選んだんですか。
佐々木:通常盤の17曲に関しては、すごくシンプルで、まず『花』を絶対一曲目にしたかった。それは代表曲を作ったんだから絶対ココでしょって感じで。
●その後は時系列?
佐々木:そう、2曲目のシーガルからは時系列にしました。単純にリード曲とかシングル曲に絞ったんですけど、後はミュージックビデオが存在してたりとかアルバムのリードとして発表したものとか。あんまり奇をてらわずに。最初の17曲に関してはかなりシンプルに選んだつもりです。むしろDisc2と3の方が、遊び心だったんで、こっちの方が大変でした(笑)。
●色々やりたくなっちゃうと(笑)。ちなみに17曲は枠として17だったのか、選んだら17になったのかっていうのは?
佐々木:選んでいったら、かな。これくらいのボリューム感じゃない?ってところで。10曲じゃ淋しいし、20曲越えたら多いんじゃないって。時期的にバランスも整えて、基本的に姐さん入ってからの曲が多くなってますね。『Human License』までは各アルバムから1曲ずつになってて、そこからはタームごとに2,3曲ずつって感じかな。
●最後に『ブラックバード』と。これ一番最初のVerですか?
佐々木:ああ、これは昔の、岡庭と石井が居た時の音源ですけど、一番最初ではないですね。実はもっと古いのも存在するし。でもマスタリングしてちょっと音は変わってると思うんで、リマスタリングで今のアルバムとしての音にはなってると思うんですけど。レコーディングのテイク自体は昔のままです。
●なるほど。こうやって並べてみると、初期の曲達は渋さもあって、逆に今の方が若い感じしますね。
佐々木:それはそうかも知んないですね。昔の方が時代的な事とか考慮してなかったし…そういう余裕もなかったのもあるんですけど。やっぱ時期を追えば追う程、周りが見えてきたりしますよね。段々時代の色とか雰囲気とか香りみたいなものをどうやって曲に落とし込むかっていう発想になっていくし。で、最初の、音楽やり始めた頃って周りが見えてないどころか同世代の音楽に興味が無かったんですよ。すごく閉鎖的な音楽の聴き方をしてた。それでちょっと歪な…今の若者なのに、昔の音楽ばっかり聴いてる変な奴が創ってる音楽だったと思うので。それは『ブラックバード』の面白さになってると思うんですけど。その後のほうがどんどん今の時代を意識した物が強くなってるし。大人になったな、と思うのが、レコード会社にわざわざ所属して、お客さんからお金を貰って、CD出してライブして…ってなったときに、何を自分が強く打ち出せるか、みたいな。それは状況とか環境に合わせて行くとかじゃなくて、そういう状況の中でも譲らない自分の表現みたいなものをどんどん見詰めていったと思うんですね。それが、この時代に自分が歌うべき言葉って思うと、やっぱり若くなっていくっていうか、今の言葉になっていくんですよね。昔のものを踏襲してるだけじゃなくて、今の物を、今俺が欲しい言葉とか歌いたい言葉、っていうのに変わってきてると思うんで。それが、渋さからどんどん若返っていって今っぽくなってると思うんです。
●なるほど。でも一回開いて広がって、そこから凝縮されてる気もします。
佐々木:ああ、凝縮はしてるかも知れないです。メンバーが変わり行くうちに今の姐さんとナベちゃんと3人っていうベーシックなフォーマットのバンドだってハッキリしてきたので、ギュッと凝縮されてる感じはあるかも知れない。ふわふわメンバーが変わってる状況じゃなくて、この3人でやってるっていう。このベストはその道のりも見えると思うんで。ある一つのバンドが、ロックンロールとかブルースっていう物を軸にして、何をどう進化させてきたかっていう歴史がずらっと聴けると思うんで。そこは面白いと思いますね。メンバー変わった時期もそのまま並んでるんで、変遷、みたいな(笑)。音も変われば人も変るし。
●でも軸は変わんないっていう。曲順的に最後に『ブラックバード』を持ってきたのは何故なんですか?
佐々木:これはもう、ボーナストラックみたいなイメージだったんですよね。だから曲間も凄く空いてます、そこだけ。7秒か8秒くらい空いてます。
●はい。Disc1がベストで、Disc2とDisc3はサービス的な、自分達も楽しむ的な盤?
佐々木:正直、自分達が楽しむ方がデカかったかも知れないです(笑)。
●あはは(笑)。
佐々木:じゃないと、何かこう、「ファンの皆さん、楽しんでください」的な態度で作るものって、つまんなくなるんじゃないかなって俺は思ってて。これはファンサービスですよって投げつけられたものって、ご丁寧すぎるっていうか。だったら訳分かんない事やられた方が「聴いてみよう」って俺は思うんで。それで新曲も入れたし、『プシケ』っていう、普段はライブでメンバー紹介があるものを新アレンジして。そういう自分達なりに楽しんで攻められる物にしたっていう。
●はい。新曲の『青く塗れ』はいつくらいに作ったんですか?
佐々木:これは結構ね、言い方アレですけど急造ですね。今年入ってからかな。あ、違う年末だ。レコーディング終わったのは今年の頭、正月明け。終わってすぐミックスだったんで。
●じゃあ今年の活動を見据えてのナンバー?
佐々木:そうですね。でも『青く塗れ』っていうのがテーマとしてあって、その前から、ベスト盤は『THE BLUE』で行こうと決めてたんですよ。去年『花』出るくらいには決めてたんじゃないかな。
●そのタイトルはどういった意味で『THE BLUE』に?
佐々木:何か…最初はシンプルな言葉にしたいって思ってて。今まで『I'M FREE』とか『I LOVE YOU』とか『花』とか、ここぞという時はシンプルな物を選んできた自負があるんですけど、ベスト盤はゴチャゴチャするのが嫌だったんで、一言でこれをまとめたいって思った時に、「BLUES」のBLUEもあるし、ナベちゃんと10年やってきたんで、青臭い時代という意味でも(笑)いいかなと。
●青春も、と。
佐々木:あと最初に買ったCDはTHE BEATLESの青盤っていうベスト盤なんで。それは個人的な裏の意味なんですけど(笑)。『THE BLUE』って言う事によって、自分のこれまでの事も、音楽やり始めてナベちゃんとやってきた事も、今が一番青いって事も、含めて、結構全てを表してる、10周年ベストとしてはピッタリ来る言葉だなと思って、これにしちゃいました。これが今年の上半期のテーマみたいな物でもあるんで。あんまり周りの物に染められずにここまで来ちゃったし、染まれずにと言うか。それで良いと思ってて。フラッドは自分達のカラーとかテイストみたいな物をぶちまけに行くだけっていう。そういうイメージの曲になってる。
●はい。『青く塗れ』の歌詞、最高ですね。気持ち良い。
佐々木:ありがとうございます。
●楽しんだ曲なんだなと思って。ライブでも凄く盛り上がってたし。
佐々木:あ、こないだ初めてライブで演ったんですよ。リリース後に演奏したのは3/4が始めてだったんで。反応良かったんで嬉しいですね。こんな盛り上がるんだなって演りながら思いました。『青く塗れ』作ってる時は、何か…『花』を作った時のグッと絞り込んだ感じよりも、もうちょっと閃きとか思い付きの部分に寄ってたと思います。ナベちゃんのビートは、結構最初の方はツービートだったんですけど、シンプルなロックンロールナンバーだったから、現代風なロカビリーのビートにしてくれって言って。だからベーシックがロカビリーっぽくなってます。でもコードとかリフは思い付きじゃなくて結構プロダクションしたと言うか。録りながら重ねてったし、いわゆるロックンロールソングに登場しないような複雑なコードとかサビで使ってたりするんで、それは結構工夫してます。
●じゃあ結構挑戦したと。
佐々木:はい、チャレンジが入ってます。いつも何かしら…スタンダードな物を作りたいんだけど、その中に絶対、パッと聴いて分かんなくても良いから、俺達がトライしてる物が無いとつまんなくなっちゃうから。そういうのも無意識に効いてる、ハズ。歌い方とかもちょっと変えてるんで。
●このDisc2の2、3、4は特別感のあるナンバーで。
佐々木:ああ、2,3,4は初めてCDに入れた曲ですね。1曲目が新曲です。