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the coopeez 『rucksack』インタビュー
INTERVIEW[2015.08.28]
京都の4人組ロックバンド、the coopeezの3枚目のアルバム『rucksack』がリリースされた。
全11曲、様々な角度から楽しめる、このバンドの王道と最新がぎゅっと詰まった作品だ。

the coopeezを薦め続ける理由は、この音楽と出会うべき人がまだまだ沢山いると思っているから。
出会うことで、自分自身や人生が変わってしまう人がいるという確信がある。

音楽をどう聴くか、なぜ聴くかは人それぞれだし、自分自身、音楽を聴く時に何かを変えてほしいと思って聴いているわけじゃない。
でもthe coopeezの音楽には、自分でも気づいていなかった何かに気づかせてくれる力がある。

あのとき出会えて良かった、そう思える人が一人でも増えることを願って、4人揃ってのインタビューをお届けします!

「この感覚にハッとする人間、何かマイナス要素を抱えてる人間は
 絶対にいるぞって確信を年月を経て思ったんで。
 そういう人を動かしたいですね。」
●このサイトでは初めてのインタビューなので、まずはthe coopeezの結成から教えて頂けますか?
藤本浩史(Vo&Gt):結成時はベースレスで、僕とギターとドラムの3人でした。初ライブが2004年の夏でしたね。
山本聡(Ba):送り火の日やった。送り火行かんとライブ見に行った。
●(笑)
藤本:そこから11年ですね。
●今のメンバーさんになるのが2010年なので、まずそこまでが6年って長いなと思ったんですよね。
藤本:前3人は早めには固まったんですけど、ドラムがなかなか決まらなくて。
●小川さんと山本さんの入るタイミングは一緒ですか?
山本:僕は元々藤本君の働いているライブハウスで知り合って、最初のライブから見に行っていて。当時、大学の軽音サークルにいて、藤本君がベースを探してるって言うから、デモテープを持っていって聞かせたんだけど、誰もやりたいって言わなかった。
全員:(笑)
●山本さんがやろうとは思わなかったんですか?
山本:別のバンドをやってたんで。でも結局誰もいなかったし、僕は面白いなって思ってたから、「手伝ってくれへん?」っていうので手伝うようになって、その後に僕のバンドが色々あって、クーピーズに入った。
●それで4人になったと。
藤本:そうですね。だから4人になったのは早いですね。結成の年だった。
●小川さんが入ったのは?
小川宏実(Gt):聡君とは大学のサークルの先輩後輩なんですよ。それで「面白いよ」って言われて2回目のライブを一緒に見に行ったんです。
山本:ただボーカルの人、こっからここまで(肘から手の先)マジックでタトゥー入ってるよって(笑)。
全員:(笑)
山本:2回目はなくなってたんですけど。
●何だったんですか(笑)?
藤本:初めてのライブだったんで緊張して、なんかわからないけどマジックで腕に画書いて。
●今の藤本さんの画みたいのですか?
山本:もっとアーティストな感じの。
全員:(笑)
小川:で、それがきっかけで知って、元々入ってたギターの方が辞めて入った感じですね。聡君が入ってから1年位やったんじゃないかな。
藤本:それで新しい4人になって、でもまた1年位でドラムが仕事と両立が出来ないって辞めて。そっからずっと3人で。
山本:最初のミニアルバムの『BANPAKU』は後輩にやってもらってる。
藤本:一時入ったメロコアドラマーがいて。
山本:ペプシマンみたいなね。
全員:(笑)
森田夏音(Dr):その時に私がクーピーズ見に行くようになって。高校と大学の間に藤本さんのいるライブハウスに出て、「どこ大学行くん?」ってなった時に「精華大行きます」って言ったら「僕の後輩だね」ってなって、そこから仲良くしてもらうようになった。それでライブを見に行ったらすっごいかっこよくて、関西のライブだったら全部行きたいくらいのファンでした。
●凄い。そこから加入するまでには?
藤本:ペプシマンがライブが結構決まってるタイミングで辞めるってなって、どうしようってなった時に前から好いてくれてるし、前のバンドでドラム見ててかっこいいなと思ってたんで「やってくれませんか」って話して。
●好きなバンドに誘ってもらえるって嬉しいですよね。
夏音:嬉しかったです。だから速攻「やります!」って。手伝いだしたのは2009年位で、1年位サポートしてたんですけど、前のバンドもうまくいかなくなって「クーピーズに入りたいです」って言って。
●今のメンバーに固まるまでの6年はめげずにやれましたか?
山本:凄く良かったと思います。メンバー募集したりして色んなドラマーとやったんです。初めての人と会ってスタジオ入ってを繰り返してたから、毎回「こういう音楽をやりたいんだ」とか「こういう演奏をしたいんだ」って言っていくじゃないですか。言っていくうちに3人のやりたいことが見えていって、段々3人がガチッと固まってきた。それが凄い良かったなぁって。
●元々皆さんの音楽の趣味が全然違ったと伺っていたので、どうやってまとまっていったのかなと思ったのですけど、そういう期間が繋げていったのですね。
山本:まさにそうだったと思います。趣味も違うし、演奏とかどこにこだわるかっていうのも違ってたんですけど、その作業でこのバンドではここが大事だよねっていうのが刷り込まれていった。
藤本:逆に3人が固まっていくのに対して、それが伝わらないっていうので、それまでの人は辞めてく感じになった。
●なるほど。最初から名前はthe coopeezで?
藤本:はい。初ライブだけ大文字で。バンド名が決まらんって時に、僕がやってるライブハウスで当時仲良かったバンドの子と喋ってたら、その子がペンぶら下げてて、「ペンズとかどうっすか?」って言われて「それやったらクーピーズの方がいいっすわ」っていうので、なんかいいなって思ったら、メンバー二人からもあっさりOKもらって決まりました。

●いつも曲はどうやって作っているのですか?
藤本:嫌なこととか辛いこととか寂しい思いをした時に、負のエネルギーで言葉が出たりとかメロディーが出たりとか、大体仕事終わりの帰り道で考えますね。作らなくっちゃっていうので作ったりはないですね。
●自然と曲を作るモードになるんですね。言葉が先ですか?
藤本:鼻歌みたいので出る時もあるし、結構様々ですね。メロディーが浮かんでメモってって時もあるし、この言葉使いたいって時もあるし。
●楽しいことで曲は生まれないのですか?
藤本:楽しいことではあんまり…。
●嫌なことしかでしか曲が生まれないとなると、それが減ってきては駄目ってことですよね?
藤本:それはね、僕の今後の隠れテーマなんですよ。満たされた中でどれだけハングリーなものが書けるかっていうのは。じゃないと、一生こんな思いしたくない(笑)。
●確かに(笑)。自分と向き合う曲が多いから、しんどくないのかなって思ってはいたんですよね。
山本:ハッピーな曲は作らないの?
藤本:ハッピーな曲は…いや、あるじゃん、色々。
全員:(笑)。
藤本:ハッピーな曲は逆に宿題というか、友人が結婚するとかその時に歌うとかで幸せな歌を作ってますね。
●曲を作ることで、嫌な気持ちは昇華されていますか?
藤本:昇華っていうか、それが捌け口なんじゃないですか。そこまで考えてやってるわけじゃないですけど、そうやってなんとか保ってるんじゃないかと。
●皆さんで音を形にしていくのに、藤本さんはどこまで出来たものを持っていくのですか?
藤本:一旦は全部作るんですよ。何も思いつかない時はベース入ってないとかありますけど。生活柄、常々メンバーと一緒にいてみたいなのは出来ないので、自分はとりあえずこんなの出来ましたっていうのを作って、歌詞とデータを送って聞いてもらって、みんなが気に入ったやつをやっていく。自分の主観を聞いてもらって、客観的に良さも悪さも拾って下さいって。だから何でそんなところがいいって思ってたんやろ?とか後になって多いですけどね。僕がこの曲がいいと思ってて、みんなもいいって言ってくれて、でも後になって僕が思ってたのと全然違うところをいいって思ってたり。それはバンドならではだと思うし、年々それを受け入れ易くなりましたね。
●自分の主観でないものをということですね。
藤本:そうそう。元々僕は人と何かを作るっていうのが嫌なタイプで。画を書いてても、自分で完結したいんです。
●藤本さんが作ったものを、そのまま演奏してもらうのでもいい感じだったんですね。
藤本:だったんですけど、年々生きてると一人では生きていけないと痛感するじゃないですか。それで受け入れるようになりましたね。
山本:最初はそれが凄くありましたね。僕らはサークルで色んな人とバンド組んでやり取りしてたから、意見も指摘も交換するしって感じだったんですけど、藤本君は作家っぽいところがあるから、それが段々チーム戦になってきた感じですね。いい意味で。
藤本:バンドに限らず、団体行動を徹底的に避けてきたので。だからバンドをやって、仕事とかもして、何かを成し遂げるためには一人ではどうにもならんっていうのを、身を以て体験してきたのと同時進行でバンドも進んできたというか。
●藤本さんも成長してきたってことですか?
藤本:成長はしてないです。
全員:(笑)
山本:それの方が面白いって思っただけなんでしょうね。
藤本:単純にバンドの意味ないなって思うようになりました。自分のやるまんまをやるって。逆に皆さん最近はある意味大変だとは思うんですよ。各自の自分なりの解釈を持ってきてよってなってきてるんで、それを考えないとやっていけなくなってきた。
●前よりアイデアを持っていってる感じはあるんですか?
夏音:私はめっちゃあります。クーピーズに入るまで自分で考えるバンドしかしたことなかったんですよ。だからデモがあって、そっから発展させていくっていう作り方が分からなくて。特にドラムはリズムはこうって言われてしまったら、そうでしかないところがあって、どうやったら自分のアイデアを出せるのかが分からなかったんです。やっと最近それが面白いか面白くないかっていう物差しを使えるようになってきたっていうのはあります。
藤本:格段に変わったんはドラムのフレージングやと思いますね。勇気が湧いてきた感じですね。3人的にはどんどん崩してってくれっていうウェルカムな感じやったんですけど、やっぱり僕らが年上っていうのもあって、なかなか。でも最近は恐れずに、自分なりの解釈を出せるような感じになってきましたね。
●どんどんバンドらしくなっていっていると。
藤本:それにみんながアイデアを出せば出す程、自分はここだけは譲れないっていうにも見え易くはなるんで。