つばき『真夜中の僕、フクロウと嘘』インタビュー
INTERVIEW[2014.09.09]
元通りにはならなくても、近づけるように頑張ろうって。
もしくは新しい自分に生まれ変わるしかないなって。(一色)

活動休止・闘病を経て、復活したつばき、4年ぶりのアルバムが遂に完成!
傷付き、打ちのめされても、消えなかった。力強く輝き出す、希望の光。
真実と嘘の詰まった11曲は、きっと貴方にも希望と向き合う力をくれる。
復帰ライブから今回のアルバムまで、メンバー3人に話を聞いた。
●4年ぶりのアルバムリリースですね、完成おめでとうございます。リリース直前の今、どんな気持ちでいますか?
一色徳保:まあ、ようやく発売だなっていう。毎回そうだけど、作ってる本人はもう何回も聴いてるからさ(笑)、早く出ないかなって気持ちと、もうすぐだなっていう感じですかね。
●ワクワク感とかは?
一色:ワクワク感って(笑)ないね。
●えー。
全員:(笑)
一色:(笑)むしろさ、どんぐらい売れるかな?とかさ。
●う、シビアなトコ行きますね。
小川博永:シビア(笑)。
一色:でもさ、作品はもう出来てるからさ、あとはどんな感想がくるかなって。自信はあるけどね。
●はい。小川さんはどうですか?
小川:そうですね、久しぶりっちゃ、久しぶりなんですけど、完成してから結構経ってるんで。だいぶ早い段階で完パケしちゃってるから、確かに「まだリリースしてないのか」っていう感覚ではあるんですけど。4年ぶりで…『つばきフレンズ』もあったりしたんですけど、気付けばもう4年経ってんのかっていう感じもありますね。直前、ですけど、ドキドキ感はないですね(笑)こんだけやってるとね(笑)。
●はい。ではおかもとさん。
おかもとなおこ:私も…ドキドキ感はないですね(笑)。何枚目だっけこのアルバム。
小川:アルバムだと7枚目?
おかもと:なんかこう、レコーディング、作品リリースして、ライブ演ってっていう、どのバンドもローテーションじゃないけど、そういう事の積み重ねで活動してて、それがずっと普通になってたんですけど、やっとその普通な感じが、そういうのが戻ってきたなって。全然違うんですけど、昔とは。そういう感覚になってきたっていうか。やっと来たなっていう。
小川:うん、やっぱり発売されたら実感が湧くかも知れないですね。
●完パケ早かったという事ですが、いつぐらいに出来てたんですか?
小川:6月くらいかな。
●あ、じゃあ復活ライブから丁度一年後くらいには出来上がってたと。
一色:うん。
小川:そうですね。
●おー。復活ライブの時に、もう曲作ってるって言ってたと思うんですが、このアルバムに至るまで、どんな構想というか、流れだったのか教えてください。
一色:それは、復帰ライブをいつやろうかっていうのを決めて、まずそれに向かって一所懸命にリハーサルなりなんなりしてて。でもそれ(復帰ライブ)を決めたときから、なんとなくここぐらいまでにはアルバムを出したいなとか、自分の中でも考えてて、メンバーにも話して、だったらこの辺りでプリプロしてって。そんな感じでしたね。
●割とシステマチックと言うか(笑)きっちり決めて動いてたんですね。
小川:そうだね(笑)割と。
一色:じゃないと進んで行かないからさ。なあなあになっちゃうと動いていかないから。
●じゃあ復帰から一連の流れとしてもう3人で話し合って。
一色:うん。とりあえずライブする日を決めて…ライブ出来るかどうか分かんないけど、とりあえず決めないといつまでたっても復帰出来ないからさ(笑)。決めた段階で、アルバムも出したいなって勿論思ったし。
おかもと:2013年はライブを慣れていこう、みたいな。ペースもわかんないし、今まで通りには出来ないから、2ヶ月に一回とか3ヶ月に一回になるのかとか。で、2014年、今年に出せれば良いね、みたいな。様子を見つつっていう話だったよね。
一色:うん、ライブを決めた時にはね。
小川:それが、2013年の頭ぐらいかな。
一色:うん、ライブを演って、出来るかなっていう感触を掴んでこうっていう。でも、復帰ライブをした時から、アルバムをつくろうとは漠然と考えてたかな。
●はいライブも回を追う毎にシッカリと言うか力強くなっていって。なんか上からですいませんが。
小川:ははは(笑)。
一色:いやいや、合ってるんじゃないですか(笑)。
●本当に嬉しかったです。待ってた人もたくさんいましたし。
一色:(笑)本当にありがとう。
●その復活当時の気持ちとか、どんな感じだったか教えてもらいたいんですけども。
一色:俺は、もう、とにかく決めた事をやるので一所懸命で。そんなに覚えてないんですよね。ただ必死にやってた。例えばライブ一個やるって決めたら、目の前の事をただ必死にやるっていう。余計な事考えると不安で出来なくなるから。「出来るかな」って考えてたら、もうずっと復帰できないじゃないですか。歌えるようになったけど、何が基準かもう分からないし。前と同じには歌えないから、もう。だったらやってみるしかないって思って、ライブの日を決めて、決めたらもうそれに向かって。元通りにはならなくても、近づけるように頑張ろう、って。もしくは新しい自分に生まれ変わるしかないなって、必死になってた。ああ、だからそういう事を思ってやってましたね。
●小川さんはどうでしたか?当時は。
小川:復活は、単純に嬉しいなって。実際に復帰ライブ一発目をやってみないことには、どうなるか分かんないっていうのはあったんで。不安っていうか…あんまり上手くいかないかも知れないっていうのは、多少頭をよぎりましたけど、でもやっぱりやらないと。でも「つばきフレンズ」の時にもツアーで一色が2曲参加して、歌えてたんで。後はつばきフレンズのライブリハでスタジオ入って練習した時とかに、最初はやっぱり結構ヘロヘロで。でもそれが割と一回目、二回目、三回目って感覚を掴んできて。つばきフレンズでレコーディングした時も、レコーディングの期間の中でも最初より良くなって来てたりとかしたんで、これは何とかいけるかなっていう感覚がそこでもありましたね。一色もそれを考えてたと思うんですけど、それも踏まえて、復帰ライブをやるって決めて。まあまとめると、個人的にはつばきの復活は嬉しいっていうのと、一色頑張れ!っていう気持ちでいましたね。
●はい。ありがとうございます。おかもとさんはどうでしたか。
おかもと:ライブが、どんなペースでやるかも最初は全然見えなくて、持ち時間をどれくらい歌えるのかとか、3マンでやるのか2マンでやるのか、一月に1回か、とかも全然見えなかったんで、こればっかりはもう、本人に頑張ってもらうしかないって言うか。もう見守る気持ちで(笑)。どれぐらいまで出来るのか、30分のセットリストで、そこからどれだけ伸ばせるのかとか、最初は不安でしたね。やっぱり体力的にも心配だったんで。何度かやっているうちに行けそうな気がしてきたっていうか(笑)。ワンマンも久しぶりに演るんで、大丈夫かなと思いつつ。
●はい。ではそこから出発したアルバムの内容と言うか、どんな物を作ろうと考えてましたか。どんなアルバムになるかな、とか。
一色:あの、やっぱり…退院してから「つばきフレンズ」で一曲書いたんですけど、それは本当は皆に歌ってもらおうと思って書いたんですよね。
●あ、フレンズのみんなに?
一色:そうそう、自分で歌うんじゃなくて。だから自分の事を書いてるけど皆に歌ってもらう前提で書いてた。でも、今回のアルバムは自分の事を書かなくちゃと思って、ちゃんと。活動休止してたから、そのことについては書かなきゃなと思ってて。うん。…そういうのを書こうと思ってましたね、歌詞で。